イギリスのメジャーなスピーカーメーカーKEFは、ユニークで音の良いスピーカーを各種開発・販売しています。
同社製スピーカーで特徴的なのは、独自の同軸2Wayスピーカーシステム「Uni-Q」ドライバーです。
同軸スピーカーは音の出るポイントが1箇所に揃うので音の定位が極めて良く、空間表現の上手いスピーカーに仕上がりやすい点が最大の特徴です。
KEFのLSXはその特徴を最大限に活かした上で、こだわりの内蔵アンプ等々の装備によりありがちなパワードスピーカーとは一線を画する音質を実現しています。
接続はネットワークでもOK
LSXがユニークなところはプレイヤーとの接続は基本デジタルで、再生の処理等々はすべてスピーカー側で行ないます。
この際、一般的な光ファイバーによる光デジタル接続だけではなく、有線LANケーブルによる接続も行えるようになっているところがユニークな特徴でしょうか。そのほかにWi-Fiによるネットワーク接続も可能です。もちろんアナログのライン入力端子を持ちます。
また、プレイヤーとスピーカー間、左右のスピーカー間もすべてワイヤレス接続にすることも可能です。
その代わりUSB接続の機能は省かれています。
スマートフォンなどとはBluetoothでの接続が可能で、この際にはaptXコーデックが使えます。ハイレゾ級のLDACやaptX HDなどのコーデックが利用できないのはちょっと残念ですね。スピーカー本体の再生能力が極めて優れているだけに。
バイアンプ構成
LSXは小型の筐体ながら、内蔵するアンプはなんと低音用と高音用で独立した駆動を可能にするバイアンプ構成を取っています。低音用は70W、高音用は30Wと十分なパワーを持っています。
Uni-Qドライバーの低音用振動板は11.4cm径であまり大きくはありませんが、背面にバスレフポートを持ち小型スピーカーながらかなり下までしっかりした再生が可能な能力を持っています。
再生周波数帯域は通常モードで52Hz~47kHz、低音伸張モードで下は49Hzまで伸びます。
真の重低音を出し切るには小さなスピーカーですが、マスタースピーカー側の背面にはスーパーウーファーアウトの端子を持っていますので、重低音を外付けのスーパーウーファーで補うことが出来ます。
小型でデスクトップオーディオにも好適
KEFのLSXは非常にコンパクトな本体でノートパソコンの脇に置いて使うにも便利なサイズです。幅が155mm、奥行きが180mm、高さは240mmです。
同じようなシステムを持っていた上位機種のLS50では長めだった奥行きが短縮された分、LSXの設置性は大きく改善されました。
スピーカーの底にはしっかりした足、インシュレーターユニットが装着済みでこの部分にも音質への十分な配慮があります。しっかりしたスタンドを設置しにくいデスクトップオーディオにも使いやすいシステムです。
価格は本格オーディオ
LSXは価格帯が一般的にイメージされるパワードスピーカーとは完全に一線を画しています。ホワイトが13万円前後、その他のカラーバリエーションは15万円ほどのプライスタグがつきます。
音質はもちろん本格オーディオグレードの製品ですが、価格面もしっかりオーディオ製品しています。
このスピーカーのライバルとなる製品はクリプトンの高級パワードスピーカーあたりになるのかもしれません。
こういった「いい音」のスピーカーを使うと、いつも聞いていたはずの音楽の中にも大量に今まで聞こえなかった音が埋もれていたことに気づきます。そういったカルチャーショック的体験もオーディオに投資してみるときの面白さのひとつです。
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