パソコンなどと組み合わせてピュアオーディオレベルの音楽再生を行なうのに適したアンプなどが増えています。
一時は「デスクトップオーディオ」などと言った名前が冠されることもありました。TEACのReferenceシリーズや、ソニーのCAS-1などがそういった製品の代表格の一つでしょうか。
そんな製品の一つで非常に高い定評を持つUSB DAC機能内蔵デジタルアンプの一つに、デノンのPMA-50がありました。そのアンプがバージョンアップしてさらに音質に磨きをかけてきました。
今回はその新製品、PMA-60をご紹介します。
小型軽量・高効率
PMA-60はデジタルアンプ、D級アンプの特徴を外観からも見て取ることが出来ます。
幅20cm x 奥行き25.8cm x 厚さ8.6cmととてもコンパクトで縦置きもOK。重量も本格的なアンプとしてはとても軽い2.7kgに抑えられています。
定格出力はスピーカーのインピーダンスが8Ωの場合、25W x 25W。ですが、消費電力はわずかに35Wに留まります。発熱も小さいことが容易に予想できます。
しかしそんなカジュアルな外見からは想像も出来ない音を出す製品に仕上がっているのが、PMA-60のすごいところですね。
レビューを行なう人によっては「ハイエンドの匂いがする音」、といった表現すら行なわれるぐらいです。
オーディオのスペック的にはD級アンプなのに歪みが極めて小さいところが特徴でしょうか。
とにかく小さなサイズからはびっくりするぐらいの音の出せるアンプになっています。
心臓部はあの「クアルコム」製
PMA-60の心臓部には「DDFA」、Direct Digital Feedback Amplifierと呼ばれるチップが搭載されています。
このチップ、スマートフォンの心臓部となるSoC製造の最大手、「あの」クアルコムが製造しています。
元々DDFAのチップを開発していたのはイギリスのCSRという会社なのですが、それをクアルコムが買収した形です。このため今はDDFAの新規開発や販売もクアルコムが手がける形になっている訳です。
このDDFAの特徴は、デジタル入力されたデータを音の増幅部分まで含め全てデジタルデータのまま処理を行なうところです。
DACで一旦アナログ信号に直したものを増幅する、と言った処理が行なわれないため、内部処理でのノイズや誤差が積み重なることが原理的にありません。
加えてより正しい増幅結果を得るために「デジタルデータでフィードバック」をかける一工夫を行なっています。この部分がDDFAの名前の由来でもありますね。
こういった工夫によって極めて鮮度が高く高音質な音の再生を可能にしているのです。
PMA-60はそんなDDFAの良さをフルに活かす方向で製品の開発、チューニングが行なわれたアンプです。
こういった素性のため、PMA-60には通常デジタルデータを入力できるアンプなどの製品で必ず出てくるDACのパーツが存在しません。
もちろん本格オーディオアンプとしても
PMA-60は現在はAmazonで5万円+αぐらいで販売されている製品ですが、かなり本格的なスピーカーを駆動し切る能力も備えているようです。
PCの横に置いてのお手軽オーディオにも良い製品ですが、もっと本気の、リビングにしっかり据えてのより本格的なオーディオらしい使い方もこなせる懐の広さがありそうです。
PCオーディオのグレードアップを図るにもぴったりの製品かもしれませんね。
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