スマートフォンではアナログのイヤフォンジャックを廃し、汎用の外部インタフェースとしてはUSB Type-Cコネクタのみに絞る機種がだんだんと増えてきました。
デジタル部分でハイレベルな機能と性能を求められる中、価格面の競争もありますから、コスト面でも制約が厳しくなっている現実があります。
また、オーディオプレイヤーとしての機能や性能もスマートフォンに求められるようになると、限られたスペース、コストの中でそれなりの音質を実現するのはかなり厳しいはずです。
そういった観点からスマホ本体にイヤフォン向けのアナログ回路を組み込まないという選択もやむを得ないといえるのかもしれません。
そういったタイプのスマートフォンではアナログのイヤフォンを接続するために、外付けのUSB接続のイヤフォンアダプタを同梱する機種も増えています。ですが、こういった「オマケ」のイヤフォンアダプタは音質面にはあまり配慮されておらず、ちょっと本気で音楽を聴こうとすると割と簡単にアラが見えてしまうものです。
そのような用途を満たすのにはピッタリと言えそうな製品がiBassoから発売されています。
超小型のサイズながら、極めて本格的なDACを搭載してサイズを超える音質を実現したUSB DAC、「DC01」「DC02」です。
バランス接続とアンバランスタイプ
サイズも価格もよく似た2つの製品ですが、中身の方は思いきって大きく仕様を変えてあるのが特徴です。
DC01のほうは2.5mm4極端子を使ったバランス接続タイプ。これに対しDC02の方はより一般的な3.5mmのアンバランス接続タイプ。多くのイヤフォンをカバーします。
さらにちょっと面白いのは、DC01とDC02とで使うDACも分けているところです。
バランス接続のDC01は旭化成エレクトロニクスのAK4493EQを搭載。DC02の方はAK4490EQを採用しています。DACのスペックとしてはAK4493EQのほうが上になります。
ただどちらもハイエンドクラスのDACでどちらかと言えば据え置き機材に使われるようなクラスの高音質DACです。
重量はDC02がわずか8g。DC01の方でも11gしかなくとてもコンパクト。スマートフォンと一緒に持ち歩いても全く邪魔にならないサイズと言えると思います。
スペック
DC01もDC02もかなり新しい世代のDACを搭載しているため、対応する音源のフォーマットは非常に幅広いものになっています。
PCM形式では32bit/384kHzまでのサンプリングレート、DSDは11.2MHzまで対応可能になっていますので、通常販売されている音源データにはフル対応と言っていい内容になっています。
ボリュームに一工夫
どちらのDACにもユーザーが手で操作できるようなボリュームは搭載されていませんが、AndroidOSを搭載した機材から音楽の再生を行なう場合には、DC01、DC02側のハードウェアボリュームをいじるためのツールが準備されています。
Android側のボリュームを最大にしてDC01、DC02側のボリュームをコントロールすることで、音質劣化が極めて少ない再生が可能になります。
パソコンにしろスマートフォンにしろ、OSによるソフトウェア的なボリューム制御はオーディオグレードでの音質にはほとんど配慮がありません。普通に分るレベルで音質が劣化します。
iBassoはこれを独自のボリューム制御用アプリを開発することで回避できるようにしたわけです。
実際、DC01、DC02のハードウェアボリュームを利用可能なAndroidの環境のほうが音質はずっと上になるとのことです。
価格は10月中旬の時点でAmazonではDC02が6千円強。DC01の方は7千円程度のプライスタグがついています。
手軽にスマートフォンやパソコンの音をアップグレードするには適したオプションの一つとなってくれるでしょう。
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