ソニーの新エントリー機ウォークマンA40シリーズの登場に刺激された、ということはないでしょうが、パイオニアブランドのハイレゾ対応ポータブルプレイヤーのエントリー機がバージョンアップしました。
サイズ感、価格帯等のポジションは変えずに、形や色の工夫でより親しみやすいエントリー機を目指した雰囲気が漂ってきます。
今回はパイオニアブランドの新エントリー機、XDP-20を取り上げます。
ウォークマンA40シリーズとガチンコ?
パイオニアのXDP-20の予想価格は34,000円+消費税ぐらい。価格的にはソニーのウォークマンA40シリーズの上位機種とほぼぶつかるぐらいのポジションです。
ウォークマンA40シリーズの上位機種ではだいたいはノイズキャンセリング機能付きのイヤフォンが付属するのに対し、XDP-20は本体のみの価格になります。
内蔵ストレージも16GBと容量は少なめですが、その代わりウォークマンA40にはないバランス接続のイヤフォン、ヘッドフォンのサポートがあります。
この部分で、エントリー機ながらより音質に優れた機種として差別化を図っていく戦略がありそうです。
サイズはかなりコンパクトですが厚さが16mmあって、少しゴロンとしたフォルム。ポケットへの収まりは若干微妙かもしれません。
肝心の中身は
XDP-20の心臓部はESS製のDAC、ES9018C2Mを2系統搭載したフルバランス設計になっています。ヘッドフォンアンプにも同社の9601Kを搭載して、こちらももちろんフルバランス回路で、音質面へのこだわりポイントになっています。
先代のXDP-30もアンバランスで聴くよりもバランス接続で聴くことを主と考えて製品を作り込んだ節がありましたが、どうもXDP-20も同様にバランス接続で聴いてもらうことを主に考えた設計になっていそうです。
バランス接続可能なイヤフォンとの組み合わせでも4万円+α程度から購入が可能になりますから、ONKYOブランドの姉妹機と合わせ、バランス接続のより一層の一般への周知と普及を目指す旗頭の機種にしたいのかもしれません。
内蔵ストレージは16GBと、ハイレゾ対応のポータブルプレイヤーとしてはミニマムなものとなっていますが、マイクロSDカードスロットを2基備えていてそれぞれ256GBまでのカードに対応しますので、トータルでは非常に大きなストレージを扱うことが可能です。
対応する音源フォーマットは非常に多彩ですが、ONKYOが普及に力を入れているMQAにももちろん対応するようになっています。
ソニーのDSEE HXのようなアップサンプリング+αの役目を果たす「Hi-Bit32モード」も新たに追加されました。
この機能の新しいところはCDクオリティ以下の音源だけではなく、量子化ビット数が24bitのハイレゾ音源データであっても、32bitへの拡張を行えることです。
もちろんサンプリング周波数の方のアップサンプリングも出来ます。
この先のファームウェアのアップグレードにより、USB DACとしても活用できるような機能のアップデートが行なわれる予定です。
この部分も、ウォークマンのA40シリーズと競うような形になりますね。
外出先では単独でプレイヤーとして機能し、自宅ではパソコンなどの音質アップに無駄なく活用できる、非常にうまい作り込みだと思います。
非常に多機能
この部分は新しいウォークマンシリーズとは一線を画する、ちょっと面白いところです。
ウォークマンの方は音楽プレイヤーのコア部分以外の機能を一切捨てる形で、OSも汎用OSを捨て、ネットワーク機能もバッサリとカットしてしまいました。キレイにピュアなミュージックプレイヤーに専念させた訳です。
これに対し、XDP-20は非常に多機能。
BluetoothだけではなくWi-Fi機能も搭載して、ネットワークとの連動で色々なことを出来る機能を盛り込んできました。
Wi-Fi経由でe-onkyoから購入した楽曲を直接ダウンロードすることも出来ます。
このクラスのハイレゾ対応DAPには、一時期、ウォークマンのエントリー機しか国産製品がなかった時期もありましたが、ONKYOとパイオニアブランドの製品の登場でしっかりと競争が生まれた感触があります。
メーカーが切磋琢磨してより良い製品が生まれることに期待したいですね。
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