スマートフォンなどをプレイヤーとしてワイヤレスで音楽を聴きたい。けれども音に関してはお気に入りのイヤフォン・ヘッドフォンがあってそっちを活用したい、と言ったときに便利なのがBluetoothヘッドフォンアンプです。
伝送経路にBluetoothがはさまる時点で有線接続のイヤフォンに対しては音質面のハンデを抱えることになりますが、プレイヤーとの間にケーブルがなくなるという利用時の自由度の高さは何物にも代えがたいものがあります。
今回取り上げるFiiOのBTR3Kはそういったすき間を埋めてくれる、まさにかゆいところに手が届く製品です。
まずはスペック
まずFiiOのBTR3Kのスペックを確認しておきましょう。
音をデジタルで伝送する機材の心臓部であり、音質に大きな影響を与えるパーツがDACです。BTR3Kはこの心臓部となるチップに音質に定評のあるメーカー、旭化成エレクトロニクス製のチップを搭載しています。
使われているのはDACとヘッドフォンアンプを統合したオーディオSoC的なチップのAK4377Aです。BTR3Kはこのチップを贅沢に左右独立で2つ搭載。より音質を追求する構成を取りました。
Bluetoothのレシーバーにはクアルコム製のCSR8675を採用。安定した接続性を実現します。
Bluetoothの対応レベルは5.0。コーデックはAAC、aptX、aptX LL、aptX HD、LDACに対応しています。接続中のコーデックを示すRGB調光のライトを搭載しています。
搭載するAK4377AのDAC部は量子化ビット数32bitのデコードに対応していて、アンプ側はハイレゾ級の性能を持ちます。
イヤフォン接続用の端子は3.5mmのアンバランスと2.5mm 4極のバランス接続コネクタを搭載。中身の方も完全バランス設計となっています。
デジタルデータのジッタ抑制のために44.1kHz系と48kHz系の音源データに対応する2つの水晶発振器を搭載。ここでも音質面優先の設計が行なわれています。
また、アンプの筐体に通話用マイクを内蔵していて、スマホと接続した際にはハンズフリー通話も可能になっています。
内蔵バッテリーは330mAh。連続再生時間は最大11時間で、充電の方は1.5時間で行えるようになっています。
さらに充電用のUSB-TypeCコネクタはデジタルデータの伝送も可能で、PCなどに接続すれば16bit/48kHz対応のUSB DAC内蔵ヘッドフォンアンプとしても働く仕組みになっています。
小型軽量でお値段も軽量
FiiO BRT3Kは非常にコンパクトな作りでUSBコネクタに直接接続こそ出来ないものの、サイズ感は普通のUSBメモリ、といった感じです。
58mm x 25mm x 11mmのサイズで重量もわずかに23.5gとなります。
スマホやDAPをポケットに入れたまま、小さくて軽いBTR3Kを胸ポケットなどに入れて気軽に音楽を聴く体勢が作れます。手元のお気に入りのイヤフォンの音を活かして自由度の高い音楽リスニングのシステムをまとめられますね。
そしてBTR3Kは価格の方もお手軽なのがうれしいです。
9千円程度での販売が予想されていますから、非常にお手軽にオーディオシステムのBluetooth化にチャレンジできるデバイスだと思います。
お手軽な機種ながらバランス接続にも対応するところがFiiOらしいと言えるかもしれません。バランス接続に初めてチャレンジするときにも非常にハードルが低い良い入門機になってくれるかもしれませんね。
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