ハイエンドイヤフォンの理想型の一つとしてある種、あこがれ的な目で見られる存在が、ユーザーそれぞれの耳の形に合わせてハウジングがカスタマイズされる「カスタムIEM」ではないかと思います。
キチンと型取りをしてユーザーそれぞれにぴったりのイヤフォンが作れるため、抜群のフィット感と最高の遮音性を実現可能なそちらの観点では理想的な製品になります。
ですがこの「耳の穴の型取り」という一手間が普及のネックになっていたのも事実です。
ここにオンキヨーが一寸面白い手法を持ち込んできました。独自開発のBAドライバーなどを搭載するカスタムIEM、シリーズMのやり方がなかなかユニークで現実的です。
「メガネのアイガン」で型取りOK
オンキヨーがシリーズMで取ったユニークな方法とは、全国展開しているメガネチェーンのアイガンで耳の穴の型取りを可能にしたところです。
今までも東京圏の直営店で型取りが可能になって少し一般化に近づいたカスタムIEMをリリースしたメーカーもありましたが、それでもやはり型取りが出来る店舗の数が極めて限定されていました。
それがオンキヨーのシリーズM、シリーズJだと一気に全国220店舗での対応が可能になったわけです。
多くの眼鏡店がそうであるようにメガネのアイガンも「補聴器」を扱う企業です。ですのである意味、耳穴にまつわることに関しては既にプロであった、とも言える環境な訳ですね。
そういったベースがある会社に任せるわけですから、メーカーもユーザーも安心して利用できるシステムと言えるのではないかと思います。
スペック
今回発表になったオンキヨーのカスタムIEMのスペックも確認しておきます。
大別して2つのラインがあって、オンキヨー独自開発のBAドライバーを採用したシリーズM、既存のBAドライバーを使用しつつ音質を改善したシリーズJです。
シリーズMにはフルレンジBA 1発構成のIE M1、低域+高域の2Way構成のIE M2、低域x2+中高域1で低音重視のIE M3があります
価格の方は8万円~14万円ほど。一般的なイヤフォンから見るとかなり高価な製品ですが、カスタムIEMと考えるとむしろリーズナブルな価格帯です。
もう一つのJシリーズでは、フルレンジBA 1発のIE J1、低域+高域のIE J2、低域+中高域+高域の3Way構成となるIE J3があります。こちらの価格帯は7万円から13万円ほどになります。
シリーズMのほうはオンキヨー独自開発のBAドライバーを搭載しますが、このドライバーはマグネシウム振動板を採用していて振動板の表面に特殊処理を施すことで音質の改善を図っています。
カラーバリエーションが豊富なことも特徴で、全20種類の色から選択が可能です。
型取り料金は別
上記の通りオンキヨーのカスタムIEMでは耳穴の型取りをメガネのアイガンで行ないますが、型取りの費用は本体価格の他に別途必要になります。
こちらはオンキヨーではなくメガネのアイガンのほうに支払う形になり、6,000円になります。
製品入手の手順は、まずオンキヨーのオンラインショップで製品を発注、続いてメガネのアイガンで耳型の採取を行なったのち工場でイヤフォンを製造、ユーザへの発送となります。
少し入手まで手間と時間がかかりますが、最高の使用感を実現できるイヤフォンが手に入ります。カスタムIEMがまた数歩ユーザーに近づいたイメージでしょうか。
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