FX-AUDIOからお手頃価格の純A級動作の真空管アンプTUBE-P01J

非常にコストパフォーマンスが高いオーディオ製品を製造・販売しているFX-AUDIOから、これまたこのクラスの製品としてはずば抜けたコスパを実現した製品が登場しました。

極めて熱狂的なファン層を有する「純A級動作」の「真空管アンプ」です。

スタンダードモデルは2万円弱で購入可能な予定になっていて、使用する真空管に選別品を用いたスペシャルモデルでも3万円プラスαのプライスタグが予定されています。

今回はかなり野心的にも見えるFX-AUDIOのステレオアンプ、TUBE-P01Jをご紹介します。

A級アンプとは?

オーディオなどで使われているアンプのクラス分けとして、A級、B級、AB級、D級などと銘打った製品が数多く世に出ています。

これは元々は信号の増幅を行なう真空管やトランジスタの特性を由来にした規格のようなものです。

元来A級は、トランジスタで入力に対する出力の応答がほぼ完全にリニアになる領域だけを使って動作するアンプのことを言います。

その他の多くのデバイス同様にトランジスタや真空管も入力に対する応答は完全に直線を描きません。特に低レベルな部分、高レベルな部分で応答特性が歪みます。ここを使ってしまうとオーディオアンプでは音質に大きく響いてしまいますので、その影響を出来るだけ回避して設計を行ないます。

A級では出力の品質は良くなりますが、トランジスタで増幅できる能力のうちの一部だけしか使えませんので、音を増幅する効率としてはかなり悪いものになってしまいます。

ザックリと言えばこの辺りの電力効率を考えて、もう少し幅広い範囲を使うようにしたのがB級やAB級と言われるアンプです。

純粋な特性としてはA級が原理的にとても優れているのですが、オーディオアンプとしては消費電力の割にパワーが小さい製品になります。

D級のアンプは全く動作原理が別で、最近の製品では「スイッチングアンプ」と言われる形式をとる製品が多くなっています。デジタルアンプと言われる製品はほぼD級です。

原理的に音質は最も劣る仕組みですが電力効率は極めて良く、最近の技術の進歩により実質の音質面もものすごく改善が進んでいます。

真空管アンプ

恐らく厳密にオーディオ的な特性を調べるとさほど優れた数字は出てこないはずなのですが、真空管アンプは聞きやすく耳触りの良い音を出すとされています。

フィラメントが白熱電球のように柔らかく光を放つイメージもあってか、「温かい音」と評価されることが多いですね。

このためこちらにも熱烈なファンがいます。

ただ、真空管はトランジスタよりずっとデバイス自体の寿命が短いので、購入後のランニングコストはかさみやすいです。

TUBE-P01J

さて、ちょっと前置きが長くなってしまいました。

FX-AUDIOのTUBE-P01Jは前の2節に書いた2つの要素を詰め込んだ趣味性もとても高いオーディオアンプになっています。純A級動作で真空管アンプ。仕組み的にはシンプルですが、原理的に聞きやすい音の製品に仕上がる可能性の高い中身を持ってきた製品です。

構成は極めてシンプルで、プリアンプ、パワーアンプ段ともに1チャンネルにつき1本ずつの真空管だけで構成した純A級動作のアンプになっています。

チューニングモデルの方は多数の真空管同士でマッチングテストを行なって、左右のチャンネルの音量のばらつきを極力抑制するセットアップが行なわれています。

逆に言うと、スタンダードモデルでは左右のチャンネルに多少の音圧差がある可能性がある、と考えた方が良さそうではあります。構造上真空管はトランジスタほど製品間の性能のばらつきを抑えられないと思われますので、この部分はやむを得ないと考えた方がいいのでしょう。

純A級動作構成でアンプをシングルエンドのシンプルなものにしているので、出力の方は非常に控えめな数値となっています。これはアンプの性格上やむを得ないでしょう。

定格出力は2.5W x 2。数字的にはかなり控えめですが、デスクトップオーディオに使う分には十分以上のパワーです。一般的なお宅のリビングで普通の効率のスピーカーでBGMを鳴らすレベルならば対応できる範囲ではないかと思います。

周波数特性は20Hz~20kHz。高調波歪率は0.3%。SN比は90dbとなっています。

電源は外部のACアダプタを利用する作りで、ACアダプタは別売りです。定格電圧がDC12V、電源容量は3.5A以上が推奨されています。このアンプでしっかりした音を聴きたいならば、ACアダプタもこだわりを持って選んだ方がいいでしょう。