FiiOのハイレゾ対応ポータブルプレイヤーの新フラッグシップモデルM15が登場します。
まさに「圧倒的」といえるレベルの物量を投入しつつ他社のフラッグシップモデルに比べると大幅に安い価格を実現するあたり、FiiOの面目躍如といったイメージの製品になりそうです。
最近の製品開発の展開を見ても、FiiOのポータブルプレイヤーのライン構成は完全に一新されて「Mxx」の型番を持つ機種に総入れ替えになりそうです。
その頂点となるM15の中身をチェックします。
旭化成エレクトロニクス製DACのフラッグシップをデュアル搭載
FiiOの新フラッグシップDAP、M15の性格を最も端的に表すフィーチャーがここになるのではないかと思います。
DAPの心臓部となるDACには旭化成エレクトロニクスの新フラッグシップDAC、初の電流出力型となる「AK4499EQ」をなんと左右独立構成のデュアル搭載してきました。
これにより音のすべての面のブラッシュアップが図られています。
高出力、低歪率、高S/N
M15はつぎ込まれた物量がそのままスペックにも反映されていて、非常に高い出力とヘッドフォン/イヤフォンの駆動力を持ちながら、非常に低い歪み率、高いSN比を実現しています。
とても能率が低い300Ωのヘッドフォンも駆動可能、ということ自体が驚きですが、バランス出力ならば300Ω負荷の状態でも最大275mWのパワーが出せる作りになっています。
ポータブルプレイヤーながら、この製品で鳴らせないイヤフォン、ヘッドフォンを探す方が難しいぐらいでしょう。
歪み率はバランス出力時に0.0005%未満とこちらもすごい数字になります。
SN比はバランス出力時に122db以上。アンバランス接続でも121db以上を誇ります。
高音質実現のためにジッターの抑制にも力が入れられていて、使われるクロックジェネレータには独立した2系統の超高精度水晶発振器が使われています。
また、電磁シールドにも十分な配慮が行なわれていて、デジタル回路とアナログ回路の干渉を極力避ける作り込みが行なわれています。
接続もフルサポート
FiiO M15は単体で高音質なDAPとして利用可能なだけではなく、外部の機材と接続しての利用に関してもフルスペックと言っていいような中身を持っています。
まずパソコンなどとUSB経由で接続してUSB DAC内蔵ヘッドフォンアンプとして機能できるように作られています。インタフェースチップにはXMOSのXUF208を採用していて、USBインタフェース的には32bit/768kHz、DSDの22MHzへの対応を可能にしています。
プレイヤー側のスペックはPCMが32bit/384kHzまで、DSDは11MHzまでの対応になりますので、これを超える音源データが入力された場合にはダウンコンバートを行なっての再生になると思われます。
Bluetoothレシーバー機能も備えていてこちらもほぼフルスペック。対応コーデックはSBC、AAC、aptX、aptX LL、aptX HD、LDACに対応しています。
Bluetooth出力時にはAAC、aptX LLが使えず代わりにHWAがサポートされます。
高速動作
M15はSoCにサムスンのExynos 7872を採用。このSoCのCPU部はArmアーキテクチャのBIGコアを2つ、LITTLEコアを4つ持つ6コア構成となっていて、ポータブルDAPが採用したSoCとしてはかなり高速な部類になります。
ディスプレイには5.15型とかなり大きく1,440 x 720ドットの高解像度のパネルを採用して使い勝手の向上に寄与しています。
サイズは134mm x 75mm x 18mmとかなり本格的なスマホサイズで厚め。重量も300g以上ありますがポータブルDAPのフラッグシップモデルと考えるとむしろ軽いぐらいの数字かもしれません。
内蔵バッテリーは7,490mAhと非常に大容量のものが使われていますが、バッテリー駆動時間は最大15時間とあまり長くはありません。OSがAndroidベースであることと、音質最重視設計の影響でしょう。
価格の方はこれだけの物量をつぎ込みつつもFiiOらしいコスパの高さはさすがで、15万円程度での販売予定となっています。
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