ハイレゾ級Bluetooth接続を可能にした大きな卵、Olasonic IA-E55BT

OlasonicブランドのPC向けパワードスピーカーのシンボル的な役割を果たしているのが、非常にユニークな形状、卵形で作られたスピーカー群です。

他社製のPC用パワードスピーカーと比較するとやや高めのプライスタグがつきますが、独特の極めて広く立体的な音場再現能力はちょっと他には見当たらない特徴です。

このシリーズの卵形スピーカーの長男的なポジションには、2Way構成でハイレゾ対応になっている「大きな卵」TW-S9がありました。このほどその大きな卵形スピーカーにハイレゾ級のコーデックにも対応するBluetoothレシーバー機能を追加したモデルが登場します。

IA-E55BTがそれです。

スペック

IA-E55BTはベースとなった有線接続モデルのTW-S9の構造を引き継いでいます。

スピーカーは60mmのフルレンジユニットと25mmのスーパーツイーターの組み合わせによる2Way。低音強化のために背面にパッシブラジエーターを備えています。

フルレンジユニットとツイーターユニットは同軸に配置されていて、点音源に近い再生を狙っています。

パッシブラジエーターや駆動能力の工夫によるものか、わずか60mmの小型スピーカーユニットを使用するシステムとしてはちょっと驚きの45Hzまで伸びる低音再生を可能にしているのも大きな特徴でしょう。

高域はアナログ有線接続時に50kHz、USB接続時に45kHzまでをカバーします。

Bluetoothの接続ではハイレゾ級コーデックのLDAC、aptX HDが使用可能で、そのほかSBC、AAC、aptXでの接続も可能です。

電源はUSBケーブルから取るタイプですが、USBケーブル経由で供給可能なパワーを大きく超える瞬間的な最大出力を実現するSCDSを継続して採用。バスパワーのパワードスピーカーとして驚きの10W x2の出力を実現します。

卵形は理想に近い形

普通のスピーカーは箱形をしていますが、音響的に特性を整えるためにスピーカーボックスの中身はかなり色々な工夫が盛り込まれています。

平行する2つの平面がある中で音を出すと2つの面の間で反射する音波が定在波を作り、それが悪い方向で音質に影響します。

一般的なスピーカーはそのあたりを音を吸収する素材などで取り除く工夫をしていますが、IA-E55BTが使っているような卵形のエンクロージャーならば基本的に内部に平面が存在しないためほぼ定在波が発生しません。

原理的に優れた形が卵形です。

また、この形に形成すれば自然とスピーカーボックスの剛性が高まるので、こちらも音にはいい方向に作用してくれます。

外部でスピーカーから出る音波が変な干渉を起こさない、と言う意味でも理想的な形の一つです。

大きく広がる音場表現は大得意

IA-E55BTだけではなく、下位のモデルでも同じ特性がありますが、Olasonicの卵形スピーカーはサイズを大きく超える非常に良く広がる立体的な音場の再現がすごく得意です。

スピーカーを設置した幅を超えてふわっと音の空間が広がるのはすごく気持ちが良いです。

スピーカーの後ろ側で聞いてもきちんとステレオ感ある再生が出来るユニークな特徴もありますね。後ろ側にパッシブラジエーターの開口部がある関係で多少音のバランスは低音よりにシフトするのですが。

部屋の真ん中において無指向性スピーカー的な使い方をするのも面白い製品かもしれません。

IA-E55BTの価格は3万円弱と予想されています。

一般的なPC用パワードスピーカーとしては高価ですが、本格オーディオ製品との間を埋めるクラスの製品として面白い品になるかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です