メインストリームクラスもAndroid回帰。NW-ZX500登場へ
ドイツで開催される世界最大の家電見本市、IFA 2019に合わせてソニーがウォークマンのエントリー機、メインストリームクラスの2シリーズをアップデートします。
最大のトピックはどちもOSが汎用OSでもあるAndroidに回帰すること。
この記事では、ハイレゾDAPではメインストリームクラスにあたるNW-ZX500の中身を見ていきます。
音楽リスニングの形の変化に対応
ネットワークが生活インフラの一つとなる以前は音楽を聴くスタイルはレコードやカセットテープ、CDを買ってそれを再生するのがごく一般的なやりかたでした。
他にはTVやラジオの音楽番組、有線放送ぐらいでしょうか。
それがインターネットの存在が日常の当たり前になってから、「買い切り」タイプの音楽再生からネットワーク経由のストリーミングによる音楽リスニングにメインの流れが移行しつつあります。
でもこの方法、媒体がデジタルなインターネットとそれに対応するデジタルガジェットに替わっただけで、ラジオや有線放送とやっていることはあまり違わなかったりもしますね。少し選曲の自由度は高くなっていると思いますけれど。
こういった音楽の聴き方だとネットワークとの親和性の高さと、いつでも持ち運んでいるガジェットと言うことで、ここでもやはりスマートフォンが大きな存在感を持つようになっています。
ですが基本スマートフォンは汎用デバイスで、本格的なオーディオグレードの音の再生能力を完備しているとは言いにくい機器です。
ストリーミングでももっといい音で音楽を聴きたい、そういうユーザーの希望に応えるべく代替わりを行なったのが今回発表された新ウォークマンと言えるでしょう。
スペック
NW-ZX500は同時発表されたエントリー機のA100シリーズとはやはり一線を画す中身を持つ、よりより本格的なオーディオプレイヤーです。
ソニー独自のフルデジタルアンプS-Master HXはグレードが上のものが奢られていて、DSDも11.2MHzのデータまでネイティブ再生を可能にしています。
PCM音源の対応の幅もより広くなっていて、32bit/384kHzのネイティブ再生が可能です。
CDクオリティなどの音源を補間しつつアップスケーリングするDSEE HXも搭載。MP3などの圧縮音源もおり聴きやすい音に変えてくれます。
サイズは121.8mm x 57.3mm x 14.8mm。4型クラスのちょっと前のスマートフォンぐらいのサイズ感でしょうか。
ディスプレイはA100シリーズと共通と思われる3.6型HD解像度の液晶パネルを採用しています。もちろんタッチ対応です。
内蔵ストレージは64GB。マイクロSDXCと思われるスロットを1つ搭載していて、ストレージの容量を大きく拡大することが出来ます。
そして遂に、と言いますか、WM-PORTが廃止されました。ずっと汎用性が高いUSB Type-Cコネクタに変わり、接続性は大きく向上しているはずです。
ボリュームはハードウェアで
AndroidOSにもソフトウェア的に音のボリュームを変化させる機能が備わっています。ですが一般的にはこういったソフトウェア処理でボリュームを動かすと、オーディオ的には音質にそれなりのダメージが出てしまいます。
これを回避するため新しいウォークマン2機種では、Android側のオーディオドライバではボリュームが最大となるよう調整が行なわれています。そして実際のボリューム調節にはハードウェア側のマスターボリュームが使われます。
さらに高音質化のためにZX-300から高剛性シャシーなどの遺伝子を引き継ぎ、ウルトラハイエンドのDAP、DMP-Z1で採用したパーツも使われています。
3.5mmのアンバランス出力のイヤフォン端子に加え、4.4mm5極のバランス接続端子も搭載するなど、音質に最大限振った作りのプレイヤーに仕上がっています。