ビクターにはスピーカーの振動板に木の削り出し材を使った唯一無二と言っていいスピーカーシステム、ウッドコーンシステムがあります。
このスピーカーユニットの究極を目指すカタチで作り込みを突き詰めた製品が新たに登場しました。
レシーバー部分は従来機と同様ですが、スピーカー部分を徹底してこだわりの構造とした新製品EX-HR10000を取り上げます。
スピーカーと言うよりは「楽器」づくり
もともとビクターのウッドコーンシステムのスピーカーの作り込みはオーディオ製品というよりも「楽器」の音作りを行なうような方向性で設計・製造が行なわれています。
EX-HR10000のスピーカ部分はそのこだわりをとことんまで突き詰めたような内容になっています。
振動板からして1枚の削り出しの木材ではなく、別の素材を響きをコントロールするために貼り合わせた独自のカタチになっています。今回使われているのはチェリー材。木目の方向性を調整して振動を最適化しています。
スピーカーのエンクロージャーも弦楽器などの「胴」を作り込むかのごとくの中身になっています。
外側の材料にはチェーリーの無垢材を採用。内側にはチェリー材の「響棒」を配置して剛性をアップ。さらに繊維方向を考えた竹の響板を配置することで低音再生の充実を狙っています。
加えて木材を人工的に熟成させる技術を使い、響きを最適化する材料も配置することで音の向上を狙っています。
磁気回路の後ろ側にはレッドオークのブロックを配置。さらにボイスコイルのボビンだと思いますが、厚さ80μmに削り出した木材を使うなど、徹底的に「木」にこだわったスピーカーになっています。
音を追い込む手法も作り込みの方法も、とてもアナログで楽器のようなやり方ですね。
レシーバーユニットのスペック
EX-HR10000で変更になったのはスピーカーユニットだけでセンターのレシーバー部分は従来と同じものですが、ここのスペックもまとめておきましょう。
ハイレゾファイルの再生はPCMの24bit/192kHzまでの対応となります。DSDネイティブの再生は出来ません。ファイルの形式はFLAC、WAVに対応します。
非ハイレゾの音源も補完を行ないつつアップコンバートするK2 TECHNOLOGYも搭載していて、Bluetooth接続での圧縮音源の再生でも聴きやすい音になることが期待できます。
CDプレイヤー部分は音楽CD、MP3やWMAを記録したCD-Rの再生に対応。
チューナーはワイドFMにも対応するFMチューナーを搭載しています。
入力には光デジタル端子はありますが、USB DAC機能は持っていません。
アンプは最大50W x2(4Ω)となっています。
このシステムのスピーカーはフルレンジユニット一発の構成のため、音の空間的表現と定位の良さが期待できます。恐らくニアフィールでの音楽再生とも相性が良いでしょう。
サイズのコンパクトさとも合わせ、PCと組み合わせての音楽再生にも上手くマッチしてくれると思います。
価格の方はビクターのオンラインショップ限定販売で14万8千円となります。ミニコンポの中でもかなり上位の製品になりますが、スピーカーのこだわりの中身を考えると納得のいく価格です。
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