非常に高いスペックの中身に対して価格はかなり抑えたプライスタグを持つオーディオ製品を多数世に出しているFiiOから、またひとつなかなかにインパクトある製品が登場します。
現在、ポータブルDAPに求められている機能が基本「全部入り」状態になる高スペック機、「M11」です。
FiiOの従来のラインのDAPとは異なる性格付けがされた新シリーズ、Mシリーズの現時点での最上位機種になります。
バランス接続ダブルで搭載
今、イヤフォン・ヘッドフォンのバランス接続の規格は2種類のコネクタがあります。2.5mm 4極の従来から使われてきたものと、ソニーがウォークマンをバランス接続対応させるときにJEITAが規格化した4.4mmで5極のコネクタです。
今のところ2.5mmを採用する機種の方が多いですが、JEITAが規格化したこともあり今後4.4mm端子が増えていく可能性もあります。
現状この2つの端子が混在している状況のため、ユーザー側がちょっと困る状況も生まれています。リケーブル出来るイヤフォンでないと両方に対応できませんし、それであってもリケーブルのための余分な出費が必要になります。
FiiOのM11は力業でこの問題を解決するアプローチを取りました。両方のコネクタを搭載してしまったのです。
もちろん3.5mmのアンバランス接続のイヤフォンジャックも備えていますから、このDAPならば基本すべてのイヤフォン、ヘッドフォンとの接続が出来ます。
旭化成エレクトロニクスの最新DACをデュアル搭載
M11はDAPの心臓部とも言えるパーツのDACに、音質面で高い評価のある旭化成エレクトロニクスの最新DAC「AK4493EQ」をデュアル搭載してきました。
アナログパーツも非常に質の良いモノを載せてこだわりの音作りが行なわれています。
最新のDACを載せたおかげで対応するハイレゾ音源データのフォーマットも「全部入り」状態で、PCM形式は32bit/384kHzまで対応しますし、DSDも11.2MHzまで対応可能と非常に幅広いものになっています。
「タブレット」的にもハイクラス
スマートフォンサイズの小型タブレット端末としてみてもM11はかなりハイスペックな中身を持っています。
画面は5.15型で1,440 x 720ドットとかなり高解像度のパネルを採用。制御を行なうSoCにも最高2GHz駆動の6コアCPUを持ったExynos 7872を採用するなど抜かりがありません。メインメモリも3GBと十分です。
また、Wi-FiやBluetoothを使った各種ネットワーク経由での音楽再生やリンクに対応していて、非常に多機能を誇る機種にも仕上がっています。
Bluetoothレシーバー機能を備えていて、スマートフォンなどをプレイヤーとして利用、M11をBluetoothアンプとして利用することも出来ます。この際にはコーデックとしてLDACを利用可能で、対応機材ならばスマートフォンからもハイレゾ級の再生が出来るようになっています。
ユニークな機能としてはPCM音源をリアルタイムでDSD形式に変換しながら再生を行なう機能を備えています。変換されるのはDSDの2.8MHz形式ですが、その音の変化も楽しめるちょっと面白い機能と言えるでしょう。
これだけの中身を持ちながらさすがはFiiO。M11は5万円台での販売が予定されています。
価格帯としては各社のメインストリームクラスがひしめく激戦区なだけに、M11がどう戦うかちょっと楽しみです。
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