JVCケンウッドはカーナビのエンターテインメント機能に非常に力を入れています。その一環としてオーディオ機能は早くからハイレゾ対応を果たし、今でもとても気合いの入った製品を作り続けています。
そのケンウッドブランドのカーナビのハイエンド機種が登場しました。9型と大きな液晶画面を備えた「MDV-M906HDL」です。
今回はこの機種の情報をまとめてみます。
旭化成エレクトロニクスのハイエンドDACを搭載
何世代か前の機種からケンウッドのカーナビの上位機種でハイレゾ対応となっている製品は、デジタルオーディオ機能の心臓部、DACには音質に定評のある旭化成エレクトロニクス製のハイエンドDACを採用しています。
MDV-M906HDLではハイエンドクラスのDAC、AK4490を搭載しています。
このDACはさらに上位のチップが生まれたことで現時点でのハイエンド機ではなくなっていますが、その音質などの内容に関しては未だに一級品です。
オーディオ関連の各種信号処理を行なうDSPにも旭化成エレクトロニクス製品を搭載し、音質最重視の設計を行なったシステムになっています。
さらにJVCグループのアップサンプリングシステムのK2 TECHNOLOGYも搭載していて、MP3やCDクオリティの音源などを自然な形でサンプリングレートを引き上げ、高音質化を図れるようになっています。
システムとしてサポートする音源フォーマットは24bit/192kHzまでのPCM音源に対応。ファイル形式としてはWAV、FLAC、WMAなどに対応します。DSDの再生にも対応しますが、ネイティブ対応ではなくPCM変換を行ないながらの再生になります。
さらにMQAの再生にも対応していて、MQA-CDの再生も行えるようになっています。
また、Bluetoothレシーバー機能ではハイレゾ級のコーデック、LDACをサポートします。
アンプは50W x 4ch。車内という独特の空間で音楽を聴く、ということに合わせてさまざまな再生機能を搭載しています。
ユニークなのは、恐らく運転席のポジションのみ十分な音量を実現しつつ、その他の座席では音量を抑えて眠りを妨げない「パッセンジャースリープ」というモードを持つことでしょうか。
カーナビ機能ももちろん高機能
今やカーナビはエンターテインメント機能がもう一つの主役と言えるぐらいに音質や機能が向上していますが、ナビ機能自体が本当の主役であることには変わりはありません。
MDV-M906HDLシリーズではナビゲーション機能の方にも大きな改良が施されています。
ちょっと意外でしたが、彩速ナビシリーズとして初となる9型HD液晶を採用。大きな画面を活かした新コンセプトのGUIを採用して使い勝手の向上も合わせて狙っています。
単に自分の位置に連動する地図表示機能だけで考えても画面の大きさは使い勝手の良さに直結しますし、高解像度化でより新しい使い方も可能になるでしょう。
今はオリジナルのGPS衛星だけでも位置検出精度は非常に高くなっています。受信状態さえ良ければ10m以下の誤差でナビゲートしてくれます。
MDV-M906HDLはこれに加えてより高い精度でのポジショニングが可能になる、日本独自の準天頂衛星システム「みちびき」や、ロシア独自の衛星測位システムである「GLONASS」にも対応します。
同時に捕まえられる衛星の数が足りなくて測位精度が上がらない、といったケースが起こりにくい測位システムを構築しています。
リアビューカメラにも対応
MDV-M906HDLは本体が14万円程度と価格面もハイエンドらしいお値段になっていますが、高機能なナビ機能に加えて高音質なオーディオと一体化していることを考えると価格なりの内容は備えたシステムだと思います。
また、別売りのHDリアビューカメラの追加にも対応していて、大きく高精細な画面をより活用できるようになっています。こちらは実売2万円程度となります。
コメントを残す