Appleもオープンなコンテンツビジネスに方針転換か?

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今の映像や音楽コンテンツの配信サービスは、プラットフォームなどの壁を越えてより多くのデバイスで再生可能なことが競争力のカギのひとつになっています。

サービスを利用するユーザー数が大きく数を伸ばしたこともあり、対抗他社と本気でケンカするには出来るだけ大きなパイの中での競争を行える形を取らないと、そもそも勝負に参加することすらできないような状態です。

分りやすいところでは携帯大手が提供している各種のサービスはキャリアの枠を超えて、他社の回線を使うスマートフォンからでも問題なく利用できるようになっています。

さらに大きな市場で競争している大手のストリーミングサービスと戦って行くには、できる限り制約がなく広いユーザーを対象にしないといけないことは明らかです。

そんな中、iTunesで自社のデバイスだけに向けたコンテンツの配信サービスを行なってきたアップルもどうやら方針を変えざるを得ない状況になってきたようです。

iTunesのコンテンツをまずはサムスン製のスマートテレビに開放することが発表されました。

Appleもコンテンツサービスの会社へ?

Appleはハードウェアもソフトウェアもすべて自社でまかない、閉じたエコシステムを構築して上手く循環させることで高い収益を上げ続けてきた会社です。

ですが、ここに来てスマートフォン市場の頭打ち感が目立ってきました。

倍々ゲームで伸び続けてきたスマートフォンの性能、機能の伸びが飽和してきたこともその理由のひとつだと思います。

中国市場の冷え込みによるApple社の業績の落ち込みもありますが、それ以前からiPhoneへの依存度が高い同社の売り上げにスマホ市場の成長の鈍化が与える影響を織り込んでいたのでしょう。

今回iTunesのコンテンツをサムスンに開放したのは、もしかしたらAppleもコンテンツサービスを売るビジネスに重心を移す最初の一歩になるかもしれません。

パソコン市場では既に何年も前から市場の拡大が停滞しています。簡単に言えば欲しい人には大体製品が行き渡ってしまったカタチです。スマートフォンも遂にその状況に達してしまったということです。

Appleが今後も成長を続けるには、自社ハードだけの世界全体から見ると狭い市場だけでの商売では足りなくなったということでしょう。

マイクロソフトは元々ソフトウェア、Windowsだけを売る会社でしたが、こちらも商売の軸足を別のものに移しています。もう既にマイクロソフトもWindowsの会社ではないのです。

デジタルガジェットにかかわる会社の多くが元々の本業から手を広げて生き残りを模索しています。今はそういう時代ということなのでしょう。

しかしまさかサムスンとは

Appleが自社のコンテンツを解放する相手としてサムスンを選んだというのはなかなか衝撃的な感じもあります。

スマートフォンのジャンルでは両社は特許などの関連で訴訟合戦を繰り返し、シェアでも戦いを繰り返しているメーカーだからです。

そのかわりサムスンのテレビは世界市場では有数のシェアを持っています。その機種がiTunesに対応すれば、コンテンツサービスでの売り上げへの貢献を期待できます。

スマートフォンでの争いはとりあえず横に置いておいて、ということなのでしょう。

ただ、サムスンのスマートテレビ相手だけでは市場はさほど広がりません。もっと大胆に市場を拡大できる施策をとらないと、他社との競争にはなかなか勝てないでしょう。

そのあたりの動きが今後どうなるかも注目した方が良さそうです。

iTunesのサービス自体も形を変えるか?

現在のコンテンツ配信サービスの主流はサブスクリプションのストリーミングタイプに完全に移行した感があります。今のiTunesのサービスそのままではその潮流にはうまくフィットしません。

こういった今のトレンドに対しiTunesのサービスで今後Appleがどんな動きを取るのか、そちらにも注目しましょう。