8月10日から香港で開催されたHigh-end AV Showに合わせる形で、ソニー香港から超弩級のオーディオ製品が発表されています。
その一つがこの記事で取り上げるハイレゾオーディオプレイヤーのDMP-Z1ですが、まずは価格が驚きの約88万円と予想されています。
そのほかにもいろいろと目を引く部分がありますので、ちょっとそのあたりを掘り下げてみます。
バッテリー駆動できるけどポータブルではない
DMP-Z1の特徴の一つはバッテリーを内蔵していてAC電源なしでも約9時間の動作が可能な作りになっているところです。
その点だけを見るとポータブルプレイヤーと言えなくもないのですが、DMP-Z1のサイズは138mm x 278.7mm x 68.1mmもあります。重量は製品情報のページにも記載されていませんが、そのあたりを気にするような製品ではない、と言うことでしょう。
恐らくkg単位の重さがありますから、これを普段持ち運んで使う、なんてことは通常考えられないボリュームだと思います。(ちなみに約2.5kgある、とのレポートがとあるWebメディアで紹介されました)
と、いいつつもタッチ対応の液晶画面を備えている上、極めて強力なヘッドフォンアンプを内蔵しますから、DMP-Z1スタンドアロンでオーディオプレイヤーとして成立する形は取っています。
S-Master HXを使っていない!!
このプレイヤーのスペックで驚きを最も感じた部分は、ソニー製品でありながらソニーご自慢のデジタルアンプ、S-Master HXを使っていないらしいところです。
代わりにDACには旭化成エレクトロニクスの現時点でのハイエンドモデル、AK4497EQをデュアル搭載するという極めて贅沢な作りをしています。間違いなく音質面でも素晴らしい結果になるのは見えているようなものです。
対応するハイレゾ音源のフォーマットはDACのスペックに則ったもので、PCMは32bit/384kHzまでに対応。DSDは11.2MHzまでネイティブ再生が行えます。
バッテリーは「ピュア電源」として使う
一般的な家庭のAC電源にはある程度ノイズが乗ってきます。
大本の電源供給ラインには雷や近くに強い電磁波を発する施設でもない限り大きなノイズが混じることはないはずなのですが、家庭内の各種デジタル機器や家電などから出たノイズが電源ラインにどうしても乗ってしまいます。
ですのでコンセントから電源を取っている限り、オーディオ機器はその手のノイズを避けることが出来ません。
高価なAC電源のノイズフィルターを使えばオーディオグレードでも満足できるキレイな電源ラインを実現できますが、そちらの導入もなかなか大変です。
DMP-Z1ではコンセントから電源を取ることも出来ますが、AC電源のラインをカットして内蔵バッテリーのみで駆動することが出来ます。こうするとACの電源ライン由来のノイズから完全にフリーな状態で動作することが可能になります。
根本的なところから音質改善を図れる可能性がある訳です。
これだけのサイズ、重量(がありそう)のプレイヤーにバッテリーを搭載したのは、持ち出して音楽を聴く目的よりも、よりクリーンな電源を使って音質面の究極を追求することを突き詰めた結果のように思われます。
ウォークマンじゃない
当たり前かもしれませんが、DMP-Z1はウォークマンブランドでは販売しないようです。ソニーのオーディオのウルトラハイエンド、Signature Seriesの一員となります。
ブランドもブランドですしお値段もお値段ですから、今ソニーがオーディオに出来ることは全てつぎ込んだ製品になるのではないかと思います。
普通のオーディオファンが手を出せるような製品ではありませんが、一度その音は確かめてみたいものだと思います。
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