Bluetooth向けの新ハイレゾ級コーデックHWAとは?

HWAの情報ページ

Bluetoothは色々なデバイスを無線で接続し合える、柔軟性が高いとても良く出来た規格です。消費電力も少なくバッテリー駆動のさまざまなデバイスに搭載しやすくなっています。

ですがその分制約もあり、オーディオの世界においては通信速度の上限がネックになることが多くなります。

一般的に使われているBluetoothでは安定して送受信可能な実効通信速度の上限が1Mbps程度になるので、ハイレゾ音源はおろかCDクオリティの音も圧縮無しに送ることができません。

このためBluetoothでは、音楽や音声をやりとりするために音声データを圧縮するための仕組みが使われます。

最近ではより高い音質を実現するため、新たに「ハイレゾ級」と表現される音声圧縮用の「コーデック」として、ソニーのLDACやクアルコムのaptX HDといったものも登場しています。

この「ハイレゾ級」コーデックに新たなチャレンジャーが登場することになりそうです。それはスマートフォンなどで存在感を示すファーウェイが提唱する「HWA」です。

HWAとは?

ファーウェイが提唱するBluetoothの新音声コーデックHWAはとてもストレートなネーミングで、「Hi-Res Wireless Audio」の頭文字を取ったものとなっています。

元々は台湾のHiFiオーディオ向け半導体メーカーであるSAVITECHの「LHDC」という技術をベースにして開発が行なわれているようです。

HWAでは最大900kbpsの転送ビットレートを使う形で通信を行ないます。これはソニーのLDACの音質優先モードの990kbpsに迫る数値です。

また入力されるデータは24bit/96kHzに対応していて、こちらもLDACと同じスペックになっています。

HWAで圧縮された音声データのデコードにはSAVITECH製のハードウェアを利用するか、ソフトウェアによるデコードも可能になっているようです。後者は特に普及のためにとても重要な要素になると思います。

ファーウェイの最新スマホに実装済み

この新しいBluetoothコーデックであるHWAは日本でも発売開始となったファーウェイの最新スマホ、P20 Proに既に搭載されています。

音楽データの送り出し側は既にいつでも利用可能な状態になっている訳です。

ただ、まだ音楽の受け手側となるBlutoothイヤフォンやスピーカーなどにHWAのデコードに対応する製品がありません。

LDACは提唱したソニー自体がオーディオも手がけるメーカーだったので立ち上がりは非常に素早かったですが、他社に動きが出るまでには少し時間がかかりました。クアルコムのaptX HDもクアルコムのSoC側のサポートがあるはずなのに、イヤフォンなどの立ち上がりに少し時間がかかりました。

HWAも対応製品が出回るにはもうちょっと様子を見る必要があると思われます。それまでは音質の確認も難しいのがちょっと残念です。

非常に多くの会社が協賛

HWAの利用には日本内外の非常にたくさんのメジャーオーディオメーカーが手を上げている形です。

音質面のチューニングなどで製品化には少し時間がかかると思いますが、しばらくすると色々な製品が市場を賑わしてくれるのではないかと思います。

ハイレゾ対応コーデックも3種類出現して、ユーザーがちょっと迷いそうな状況になってきています。それでもその他の過去のオーディオやビジュアル系の規格の対立構造とは違い、3つのコーデックが1つの製品内で共存することも可能になっているところが救いでしょうか。

ユーザーの利便性を削ぐような開発競争は強く遠慮したいところですが、複数のコーデック間で音質面や使い勝手面での建設的な競争が行なわれるのならば、そういった切磋琢磨は大いに歓迎したいところですね。