高コストパフォーマンスで音質面にも定評ある製品をいくつも生み出しているFiiOから、新製品ラインのハイレゾ対応ポータブルプレイヤーのM7と、同社のポータブルアンプの中では最上位機種となるQ5が登場します。
どちらも同価格帯の機種の中では、搭載するDACなどをかなり頑張ったスペックになっています。
M7
まずFiiOの新ハイレゾ対応DAPのM7です。
DACにはESS社のES9018Q2Cを採用しました。価格帯的にQ1 MarkIIあたりと共通する部分を使ったほうが良さそうなものですが、Q1 MarkIIとはDACからして違います。
この辺りの割り切りというか思い切りというかがFiiOらしさ、とも言えるかもしれませんね。
対応するハイレゾ音源データのフォーマットは、PCM形式が24bit/192kHzまで、DSD形式では2.8MHzまでの対応となります。今風のDAPとしてはやや狭めの対応範囲となっているかもしれません。
その代わりクロックには44.1kHzと48kHz系統の2つの高精度クロックジェネレータを持っています。これにより低ジッター化を追求しています。
ディスプレイは480 x 800ドットで3.2型の液晶パネルを採用。SoCには動作クロックが1GHzのデュアルコアのものを搭載。操作感の向上を図っています。
OSはAndroid7.0ベースにカスタマイズを行なったものを使います。
外部端子はUSB Type-Cになっていて、これからの普及の流れに乗るものと言えます。Bluetoothの音声コーデックではハイレゾ相当の音声伝達が可能なLDACとaptX HDの両方を採用しています。
やや厚みはありますがコンパクトな筐体で価格も27,800円程度が予想されています。他社であれば確実にエントリークラスの機種になりますが、FiiOだとエントリー機よりも1ランク上の音を実現する機種、という位置づけになるかもしれません。
Q5
Q5のほうは同社のハイエンドとなるポータブルアンプです。
DACには旭化成エレクトロニクスのAK4490ENをデュアル搭載します。オペアンプにはTIのOPA1642を載せるなど、かなりこだわった内容を持つ機種になりそうです。
対応するハイレゾ音源フォーマットはPCMが32bit/384kHzまで、DSD形式では11.2MHzまで対応するようになっています。
デジタルボリュームにはQ1 MarkIIでも実績のある新日本無線製のコントロールチップを採用。ギャングエラーを排除します。
Q5はポータブルアンプとしては珍しいフィーチャーだと思うのですが、Bluetoothレシーバー機能を持っています。aptX HDには対応するようですが、LDAC対応に関しては見送られたようです。
Bluetooth系のデコードもこだわりを持った作りが行なわれていて、BluetoothレシーバーチップのDACをバイパス、デジタルデータを直接AK4490EN側に入力して再生音質の向上を図っています。
Q5ではFiiOのハイエンドDAPであるX7シリーズで採用された交換式のアンプモジュールに対応しています。イヤフォン・ヘッドフォンの感度などに合わせてモジュールを交換することが出来ます。
また、Q5はハイエンドモデルながら4万円台での発売が計画されているようで、FiiOらしいかなり大胆な価格付けになりそうです。
中身が本格的な分、ボリュームの方は結構大きめ。4型クラスの液晶を搭載すれば十分にメインストリームクラスの本格DAPとして通用しそうな大きさがあります。
まだ正式な価格や発売時期は決まっていないようですが、音質面等々に期待出来る製品になりそうです。
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