ハイレゾ音源フォーマットの新しい仲間としてMQAが少しずつ認知度、機材の対応が広がり始めています。
MQAはフォーマットの開発者が「音の折り紙」と呼ぶ独特の技術で、特にデータ量が膨らみがちな周波数の高い音の成分をうまく取り扱うことにより、データ量を抑えつつハイレゾらしい音質を実現するフォーマットになっています。
MQAの特徴の一つであるデータ量の少なさ、こちらを活用することで容量の限られたCDにハイレゾ音源を詰め込んだディスクの発売も可能になります。
このMQAを使った「ハイレゾCD」がいよいよ発売になりました。
MQAの特徴をフル活用
ハイレゾCDでは音源の収録にMQAのフォーマットをそのまま使います。
これにより限られたCDの容量/ビットレートの中にハイレゾ音源のクオリティを収録することを可能にしました。
ハイレゾ音源としてしっかりMQAフォーマットのデータをデコードするためにはMQAに対応するDACが必要になりますが、MQA対応ではないCDプレイヤーやDACで再生を行なっても、通常のCDと同レベルの音質で問題なく再生が行える所がハイレゾCDのミソです。
従来のCDシステムでも問題なく再生が出来るので互換性がとても高いのです。
さらにきちんとMQAに対応したシステムで再生を行なえば、MQA本来のハイレゾクオリティでの再生が出来るようになっています。
通常のCDプレイヤーをトランスポートとして使って、出力したデジタルデータをMQA対応のDACに通すことでMQA本来の音質での再生も可能なはずです。
CDとしては高品質CDの一つUHQCDを採用
ハイレゾCDではCDのディスクとして読み取り精度などを高くすることが出来る高品質CDの一つ、「UHQCD」の製造方式を採用しています。
ディスクの材質に一般的なポリカーボネートではなく、独自のフォトポリマーと呼ばれる光硬化プラスチックを使っているようです。
フォトポリマーは溶けたポリカーボネートよりも粘り気が低いため、信号を記録したピットの情報をより正確にディスクに反映、正しく読み取りが可能、と製造元は主張しています。
MQAの良さもそのまま
MQA形式の音源データでは、音の時間軸方向の推移、変化を忠実に再現することも意識したエンコード・デコードが行なわれます。
専用のDACでもそこを意識した処理が行なわれるようになっています。
このため他のハイレゾ音源よりも音の輪郭のブレが少なく、しっかりとした再生が行なわれるのがMQAのメリットとされています。
このMQAの特徴は、今回リリースされたハイレゾCDにも共通の特徴となります。
まずは100タイトル
ハイレゾCDはユニバーサルミュージックから6月20日に発売となります。
最初にリリースされるタイトルはまずは100タイトル。価格は基本3,000円で、ディスク2枚組で4,000円のタイトルもあります。
またハイレゾCDの聞き比べ用のアルバムとして、サンプラーCDも1,000円で発売されます。
発売されるアルバムのアーティストは、ザ・ローリング・ストーンズやエリック・クラプトンなどのメジャーどころがたくさん。最初からかなり力を入れたラインアップになりそうです。
MQA対応のDACなどをお持ちのユーザーはトライしてみる価値のあるディスクとなってくれそうですね。
MQAの再生環境が広がればハイレゾCDの存在は、ダウンロード販売などの利用に抵抗感があるユーザーも手軽にハイレゾ音源にチャレンジできるいいアイテムになってくれそうです。
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