バランス出力も備えた「超」エントリー機、FiiO X3 MarkIII

フィーオ ハイレゾ・デジタルオーディオプレーヤー(レッド)内蔵メモリ非搭載+外部メモリ対応FiiO X3 Mark III FIO-X3MK3-R

FiiOはリーズナブルな価格で音質の優れたポータブルオーディオ系の製品を出し続けてくれているメーカーですが、エントリー機でもまた一つやってくれました。

実売25,000円程度のエントリークラスのポータブルプレイヤーにバランス出力機能を載せてきたのです。中身の方もスペックだけに終わらない本格的な作りになっていて、このクラスの他社製品にもインパクトを与えるかもしれない製品に仕上がっています。

今回はFiiOの新エントリーDAP、FiiO X3 MarkIIIを取り上げます。

デュアルDAC、左右独立設計

スペックから見るFiiO X3 MarkIIIの凄みは、バランス出力をきちんと実現するために左右独立したDACを搭載したデュアルDAC構成を取っているところです。

DACだけではなく、その後ろに位置するアナログ回路なども全て左右独立構成となっていて、バランス出力の良さをできる限り活かそうとする回路設計をとっています。

DACはTI社のPCM5242を使っていて、スペック等々はハイエンドチップではありません。PCM形式ではサンプリングレート24bit/192kHzまでの対応、DSDは2.8MHzまでの対応となり、ネイティブ再生可能なフォーマットの幅としても最新のスペックではありません。

ですが、現在出回っている音源の種類を考えると十分なレベルでもあります。この価格帯でDSD形式のネイティブ再生に対応できる時点で非常に魅力的なスペックと言うことが出来ますし。

対応可能なファイルのフォーマットはWAV、APE、WMA、FLAC、ALAC、DSF、DFFその他と、現在使われている音源フォーマットはほぼ網羅できるでしょう。ただ、今のところMQAには対応していないようです。

注意点としてはFiiOのエントリークラスのプレイヤーの伝統のようになっていますが、内蔵ストレージが省かれている点でしょうか。本体と一緒にそれなりの容量のマイクロSDカードを購入する必要があります。

SDXC形式で最大256GBの容量のカードに対応できますから、容量不足となることはまずないでしょう。

色づけの少ない素直な音

各社のレビューを眺めてみるとFiiO X3 MarkIIIの音は、どこかの高さの音を強調することのない素直でニュートラルな特性になっているようです。

エントリー機ながら低音までかなりしっかりと力強い再生が行えるプレイヤーに仕上がっているもようです。

もちろんより高価な上位機種の方がもっと低音の力強さやしっかりとした再生が行えるのは間違いがないのですが、エントリークラスに属する製品としては出色の出来のプレイヤーと言えそうです。

ハイエンドのパーツを使わない製品でも、設計などで無理をせず左右独立構成の良さをうまく活かすとこういうレベルの音作りが出来る、そういう証しとなる製品かもしれませんね。

お手頃なバランス接続対応のイヤフォンと組み合わせても

FiiOでは最近はイヤフォンの製品展開も始めています。その中には比較的お手頃な価格でバランス接続を実現し、かなり良い音を実現する製品もあります。

そんなイヤフォンの一つがF9ですが、こちらは13,5000円程度で販売されています。F9には最初からバランス接続用のケーブルが同梱されていますので、対応プレイヤーと組み合わせれば追加費用無しでバランス接続にトライできる良い製品です。

FiiO X3 MarkIIIとF9の組み合わせならば、適当な容量のSDカードも込みで4万円程度でバランス接続によるハイレゾ音源再生が楽しめるようになります。

X3 MarkIIIもイヤフォンF9もHi-Fi再生を意識した素直な特性を持つ製品ですので、どんなソースにも幅広く対応できると思います。

ちなみにF9ですが、本格オーディオクオリティのイヤフォンとしては比較的お手頃価格な製品ですが、実は内部構成はバランスドアーマチュアの高音用ドライバーとダイナミック型の低音用ドライバーの2Way構成を取る非常に意欲的な製品になっています。

さらにバランス接続用のケーブルまで付いているのですから、イヤフォン単体でも非常にコストパフォーマンスが高い製品に仕上がっています。

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