ShureはすでにiOS機器で「ケーブル交換」によりイヤフォンをハイレゾ対応化させるケーブル製品を世に出しています。
Lightningコネクタに直接挿す形の製品で、イヤフォンのケーブル交換を可能にするMMCXコネクタを活用します。高級イヤフォンでよく使われる「リケーブル」の感覚でイヤフォンをハイレゾ対応できるようにしてくれます。
この製品が出たときにコネクタ部分をUSB Type-Cに置き換えた製品の登場を予想したのですが、まさにそれが形になったものです。
今回はCES Unveiled Las Vegasにて公開されたShureの交換用ケーブル、「RMCE-USB」を取り上げます。
MMCXコネクタを活用
イヤフォンメーカー側がiOS機器向けのハイレゾ対応化交換ケーブルを登場させたのは、iPhone 7でAppleが通常のイヤフォンジャックを廃してきたことが理由になっています。
このため新しいiPhoneシリーズでイヤフォンを使う際には、AirPodsのようなBluetooth接続のワイヤレスタイプを使うか、Lightningコネクタにイヤフォンジャックアダプタを付けて従来の有線タイプのイヤフォンを利用するかのどちらかを選ぶことになります。
iOS機器ではLightningコネクタからハイレゾも含めた音源データを生のまま出力する機能がありますので、それを活用する形でLightnigコネクタ直結型のイヤフォンが生まれています。これと同様のやり方でケーブル部のみを作ったのがShureのRMCE-LTGです。
「ケーブル」という扱いの製品ですが実際にはハイレゾ対応のDACとヘッドフォンアンプを内蔵する構成で、実質的にはハイレゾ対応のヘッドフォンアンプ、というほうが正しい中身になっています。
RMCE-USBのほうは、デジタルインタフェース部をLightningからUSBのType-Cに変更した製品です。
使われているDACはRMCE-LTGと同等のもののようですが、RMCE-LTGのほうが24bit/48kHzまでのサンプリングレート対応なのに対し、RMCE-USBは24bit/96kHzまで対応するようになっておりスペック上は上の製品に生まれ変わっています。
ケーブルの機能性付加の流れ
ShureがRMCE-LTGを出して以降というかその前後からMMCXなどのイヤフォンのケーブル交換の仕組みを活用する形で、機能性を追加したケーブル製品が数を増やし始めています。
同様の考え方でケーブルにBluetoothレシーバーとヘッドフォンアンプ機能を内蔵した製品もいくつか生まれ始めました。
元々は高価なイヤフォンがケーブル断線だけでダメになってしまうことを回避するために、交換用ケーブルを用意すると言うのが最初の発想ではなかったかと思います。
それがオーディオ製品の常で、ケーブル交換による音質変化に目を付けるメーカーが現れるようになったのでしょう。「リケーブル」という発想と、音質を向上させるための高級な交換用ケーブルが生まれてきました。
その延長で音質面の他に追加の機能という発想が生まれてきました。ケーブル交換でイヤフォンをワイヤレス化するのが機能面側を突き詰めた発想の一つでしょう。
別の角度から、音質面を追求したのがRMCE-USBのようなハイレゾ対応DAC内蔵製品と言えるかもしれません。
汎用性は非常に高い
おそらくRMCE-USBでは汎用のUSBオーディオクラス2.0対応を行なっていると思います。そうすると製品を活用できる幅は極めて広くなります。非常に汎用性の高い製品と言えます。
スマートフォンでもUSB Type-Cコネクタを搭載する機種が増えていますし、AndroidOSは元々USBオーディオクラスをサポートしています。ハードウェアがUSB OTGをサポートしていれば、ほとんどのUSB Type-Cコネクタ搭載スマホで活用できるはずです。
またパソコンもほとんどがUSBオーディオクラスをサポートしますので、パソコンでもUSB Type-CコネクタにRMCE-USBを接続するだけでハイレゾ本来のクオリティでの音源の再生が可能になります。
非常に使い勝手の良い製品になってくれるでしょう。
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