遂に登場、ハイレゾ対応DAC内蔵交換「ケーブル」、AAWのCapri
あのShureが先鞭を打つ形で交換ケーブルに機能性を持たせた製品を世に出しました。
Shureの「ケーブル」はBluetoothレシーバー機能搭載でしたが、その時にハイレゾ対応DAC内蔵ケーブルの登場を予想した人もいたのではないかと思います。
その予想が遂に形になりました。
iOSデバイス向けに、Lightning接続のハイレゾ対応DACを内蔵した交換用ケーブル製品、AAWの「Capri(カプリ)」が日本ではe☆イヤホンから発売になります。
今回はこのユニークな製品を取り上げてみます。
スペック
まずはCapriのスペックから。
DACはサンプリングレート24bit/96kHzまでに対応するものが搭載されています。
ケーブルの素材には純度99.9997%のOCC銅ワイヤーを採用しており、伝達効率の高さをアピールしています。
ノイズ対策などもしっかりととられており、AppleのMFI認証もしっかりと獲得しています。
イヤフォンのイヤーピースとの接続コネクタには2種類が用意されていて、MMCXタイプと2pinタイプのイヤフォンにマッチするようになっています。
両耳のイヤーピースにケーブルが分かれる部分にはiOS機器をコントロールできるリモコンスイッチも搭載します。また、Siriによる音声操作にも対応します。
再生周波数帯域は5Hz~45kHzまでに対応し、ハイレゾロゴ使える基準を満たしています。
Lightning接続で聴く音を簡単にアップグレード
リケーブル(ケーブル交換)可能なイヤフォンを利用していればこのCapriを使うことで、iPhone 7以降のイヤフォンジャックを省いたiOS機器でもLightningコネクタ直結の形で音楽などを聴くことが出来るようになります。
同様の使い方はLightningコネクタに直結できるDAC内蔵ヘッドフォンアンプなどでも行うことができますが、こういった使い方ではDACやヘッドフォンアンプの小さいながらもiPhone本体とは独立した箱を持ち運ぶことになります。
このためどうしても携行性の面では少し不利になります。
いい音の聞くための我慢、ではありますが、そういった不便を回避したいユーザーも多いことでしょう。そういったケースではCapriのような機能性のあるケーブルがとても役に立つことでしょう。
CapriのDAC+ヘッドフォンアンプが「入っているはず」の部分は、本当にスマートフォンの外部リモコンにしか見えないコンパクトさで、ケーブル全体の重量もわずかに18gしかありません。
まさに「リケーブル」の感覚でiOSデバイスで聴く音をハイレゾ化出来るわけです。
さらに製品は広がるか?
Capriも今はLightning接続の製品だけですが、マイクロUSBやUSB Type-Cコネクタによる接続に対応すれば、Androidスマートフォンにも広がっていく可能性があります。
また、CapriのDACは24bit/96kHzまでの対応で、ハイレゾ対応機としては入門用のイメージになります。
この辺りの対応範囲が広がったり、より高音質を目指した製品の登場などがあると、機能性ケーブル、と言った製品のジャンルももっと面白いことになっていくかもしれません。
リケーブル可能なイヤフォンを買うようなユーザーは基本、音にかなりのこだわりのある人たちでしょう。
ですので、このタイプの製品もより音質にこだわる方向には、まだまだ受け入れられる伸びしろがあるように思います。
CapriはDACを内蔵しながら税込み8,900円とかなりお手頃価格で、まさにこのジャンルの製品の入り口にはぴったりの製品だと思います。
今後、より上位の製品が出てくるかどうか、ちょっと楽しみなジャンルになりそうです。