ハイレゾでのストリーミング配信サービスの動き

2017年11月16日

PrimeSeatのホームページ

 

しばらく前からプロバイダでもあるIIJが、DSD形式も含むハイレゾ音楽のストリーミング配信サービスPrimeSeatを開始しています

今年はその番組の一つとして、ベルリンフィルの公演を11.2MHzのかなり高スペックなDSD音源での無料生中継する予定も組まれています。

また、まだ日本ではサービスが始まっていない業者ですが、MQA形式データのストリーミング配信の動きも出始めました。

この辺りの状況を少し詳しく見ていきます。

PrimeSeat

PrimeSeatは日本の一般向けインターネットプロバイダの老舗、インターネットイニシアティブ(IIJ)が提供するハイレゾ音源のストリーミング配信サービスです。

ネットラジオやニコニコ動画の生放送などのようなイメージでしょうか。決まった日時にネットで「音楽番組」を聴く形になります。

なんと言っても特徴は、かなり高スペックのハイレゾ音源を無圧縮の形でストリーミングする部分でしょう。

DSD 5.6MHzや24bit/96kHzのPCM形式に加え、DSD 11.2MHzでのストリーミングも行なうようになっています。

今のところはまだ実験要素が強いようで無料番組が多くなっています。

ネックはハイレゾ音源の情報量

ハイレゾ音源のストリーミングサービスを実現する際のネックとなるのは、ハイレゾ音源の情報量、データ量の膨大さです。

24bit/96kHzのPCM形式でも、計算上4Mbps以上の帯域が常に必要になります。DSD 5.6MHzならば5.6Mbps、11.2MHzならば11.2Mbps必要です。

光回線は1Gbpsあるんだから大丈夫だろ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、通常の一般家庭向けのインターネット接続サービスは「ベストエフォート」方式です。

これがネックになる可能性があるのです。

ベストエフォート型はできるだけ速度が出せるよう「努力」します、と言うだけの保証しかありません。実際には通信速度が極端に低下するケースがあっても提供業者の責任にはならないのです。

ハイレゾ音源のストリーミングサービスならば、PCM 24bit/96kHzでも常時4Mbps以上の転送速度が出続けないと、音楽が途切れる瞬間が出来てしまう訳です。

DSD 11.2MHzならば、一瞬も通信速度が落ちることなく11.2Mbps以上が保たれなければなりません

実際にはPrimeSeatのサービスでは専用アプリを使って、ある程度データを先読みしてバッファリングすることで、音の途切れを最小化する工夫はしていると思います。

それでも、できるだけ高い通信品質が必要です。

ここがハイレゾでのストリーミング配信サービス普及への、最大のネックになる可能性が高いです。

MQA形式でのストリーミングサービス海外で開始

このネックの部分をかなり緩和できる可能性のあるサービスが海外で始まっています。

DEEZER」という音楽のストリーミング配信サービスがMQA形式での音楽配信を開始しました。

ご存じの通りMQAはハイレゾの音質を保ちつつ、大幅にデータ量を圧縮できる可能性を持つ音源データのフォーマットです。このMQAを使うことで、必要とされるインターネット回線の帯域の条件がグッと緩和される訳です。

残念ながらDEEZERは日本でのサービスを行なっていませんが、今後の展開に期待したいところです。

ただ、MQAを本来の音質で聞くためにはMQAデコードに対応する専用のDACが必要で、その部分はサービス立ち上げ時の問題になるかもしれません。

この部分に関してはソニーがウォークマンでMQA対応を開始した影響から、周囲も巻き込む形で一気に状況が動く可能性もありそうです。

動向を見守りたい部分ですね。