ハイレゾ音源の売り上げ続伸。2017年上半期の売り上げから見る状況

2017年11月16日

ハイレゾ音源の販売サイトの例(mora)

 

8月初頭にGfKジャパンが、2017年上半期のハイレゾ音源のダウンロード販売の売り上げなどの情報をまとめたレポートを発表しました。

このレポートにはe-onkyo、mora、mysound、レコチョクの4サイトの販売データが含まれています。

内容としては、2017年上半期もハイレゾ音源の売り上げは伸び続けていて、実際に各販売サイトでの売り上げランキング上位にハイレゾ音源版の楽曲がランクインする状況と印象が良くマッチする形になっています。

今回はこのレポートの中身を見て行きつつ、ハイレゾ音源などの状況を少し考えてみます。

配信数は62%の大幅アップ

2017年上半期のハイレゾ音源のダウンロード配信数は前年比で62%アップ。金額では31%の増加になりました。

金額のアップ率が低めなのはアルバム単位のまとめ買いの伸び幅に比べ、単曲での購入の伸び幅が大きく上回っている影響です。

アルバム買いの伸び率は18%なのに対し、単曲買いの伸び率は95%にもなっています。

こういった状況の影響で単曲買いがトータルの配信数の68%を占めるまでになり、金額ベースでも29%まで拡大しているとのことです。

シングルカットされたもので考えると確かに聴きたい曲の多くはいわゆる「A面」の曲で、CDとしてプレスされて「セット販売」のようにB面の曲がついてくる状況とは違い、トラックごとに好きな曲だけを購入できるダウンロード販売の形態がこの売れ行きの状況に直接結びついていると考えて良さそうです。

アニメやTV番組で使われる楽曲もだいたいは「A面」の曲です。

耳にした曲が気に入って購入しようと思った時に、楽曲が提供される形態がCDシングル相当のアルバムならば、単曲での購入に流れるケースが多くなるのは必然の流れなのかもしれませんね。

楽曲を購入するユーザー自体がこだわりのユーザー?

GfKのレポートではハイレゾ音源配信の伸びは、よりライトなユーザー層にもハイレゾ音源の認知度が広がって購買層も拡大している、との見方を示しているようです。

ですが著者はちょっと違う感触も持っています。ただ、これはあくまで勘レベルのお話で裏付けは何一つないのですけれども。

それは、今、音楽のファンの中で楽曲を購入するというユーザー自体がそもそも「こだわり」のユーザー層ではないか、という感触です。

あるアーティストのファンであることを明言しつつCDなどは買わないというユーザーのお話は以前から聞きますし、音楽はYouTubeの動画で聞けば十分とか、お金を払うにしても音楽聴き放題となるストリーミング配信サービスで十分と感じるユーザーが増えているように思うのです。

そういう意味ではレンタルではなくCDを買うために手にしたり、ダウンロード販売サイトで楽曲データの購入をするユーザー自体が、今はこだわりのユーザーと呼べるようになってきている気がします。

そういった音楽に人一倍強いこだわりを持つユーザーならば、音質面にもこだわり始めるのは自然な流れだと思います。

ですので、楽曲を買い切るタイプのユーザーがハイレゾ音源に流れるのも自然な流れではないか、それが著者の結論的なものです。

後押しするのはハイレゾ対応機器の低価格化

こういったハイレゾ音源の売れ行きの伸びを後押ししているのは、ハイレゾ音源再生環境を整えるためのハードルがかなり下がってきていることなのは間違いがないでしょう。

スマートフォンが本体のみでハイレゾ再生に対応するようになってしばらくたち、高性能機ではごく当たり前のスペックになりました。

また、ハイレゾ対応のイヤフォンなども価格帯の低下傾向が続いていて、かなり手頃に比較的本格的な音を出せる製品が広がってきています。

今までスマートフォンにおまけでついてきたぐらいのイヤフォンで音楽を聴いていたようなユーザーにとっては、イヤフォンに1万円も出費するのは結構な冒険だと思います。

そのハードルを下げてくれる製品の登場は、ハイレゾ音源の広まりに少なからぬ影響を与えてくれていると思います。

今後、全てのユーザーが同じようにハイレゾ音源に流れていく必要があるとは全く考えませんが、こだわりたいユーザーがさらにこだわれる環境が準備されているのは歓迎して良いことだと思います。