漆塗りで音激変?クリプトンのハイエンドPC用スピーカーKS-9Multi U

2017年11月16日

クリプトンの直販サイト、KS-9Multi Uの販売ページ

 

PC用スピーカーとしてはちょっとびっくりするお値段と、今までの常識が覆るレベルの音質を実現した製品を世に出しているクリプトン。このメーカーのPC用スピーカーのハイエンド機種がKS-9Multiでした。

高剛性のアルミ製ハウジングに高音質の2Wayのスピーカーユニット、バイアンプ方式のデジタルアンプとDDCを組み合わせることで、これまたかなり非常識なほどの高音質を実現する機種です。

そのKS-9Multiの更なる音質向上を目指した製品が今回取り上げる「KS-9Multi U」です。

スピーカーのアルミハウジングになんと「漆塗り」を施してきました

金属筐体は高剛性だが材料特有の音が出る

KS-9Multiではスピーカーの筐体に非常に剛性の高いアルミ製のハウジングを採用しています。これによって無駄なハウジングの「鳴き」を抑制して音の純粋さを高める作りをしています。

しかし、アルミは金属としては特有の音が少なめの素材とされてはいますが、素材自体の音速の速さなどからどうしても素材固有の音を生じてしまいます。その部分がスピーカーの音の「癖」となって耳に聞こえてきます。

スピーカーの筐体によく使われる木材系の材料は、音の伝搬速度が遅く内部損失も大きな材料のため固有の音が少ないのが特徴です。加工が容易なこともありますが、ずっとスピーカーの筐体の材料に使われ続けているのには、実は科学的な裏付けもあった訳です。

ただ、木材で剛性を高めるのはかなり難しく、この部分では金属筐体にずっと大きなメリットがあります。こういったことから最近は金属筐体のスピーカーが増えているのでしょう。

「漆」で金属筐体の「鳴き」を抑えるという発想

KS-9Multi Uではアルミ製の筐体の上に漆塗りを施しています。

漆は音速の遅い材料のようで、これを金属筐体に重ねることで筐体固有の音を大幅に抑制することが出来るようです。

これによってKS-9Multi Uでは、ベースモデルのKS-9Multiとは全く別のスピーカーのような音を実現しています。

筐体の鳴きを抑えることで、KS-9Multiの音の癖を上手く押さえ込んでいるようです。アルミ筐体ならではの独特の響きがほぼ完全になくなっているとこのことです。

わざわざ金属に漆を重ねる技術の開発まで

KS-9Multi Uでは「会津塗」を使っています

漆は木の上に塗ることが基本で、従来は金属に重ねる技術がなかったんだそうです。つまりKS-9Multi Uでは、アルミの上に漆を塗る技術から開発を行なった、と言うことになる訳ですね。

すごい執念を感じます。

また、金属の地に漆を載せる技術が出来たことで、今後色々な製品への展開も可能になるかもしれません。

さらにKS-9Multi Uのスピーカー保護用のサランネットには、なんと「西陣織」が使われています。音の透過率の良さを意識したのだそうですが、ここにもものすごいコストをかけていますね。

色々な意味で日本ならではの製品に仕上がった形、でしょうか。

本当にこのメーカーにしか作れない製品かもしれません。

価格の方もウルトラハイエンド

こういった徹底ぶりですからKS-9Multi Uのお値段は、やはりPC用スピーカーという表現を使うのがはばかられるレベルです。もちろん音の方も、下手なピュアオーディオスピーカーでは太刀打ちが出来ないと思いますが。

2本セットで398,000円のプライスタグがつきます。

ただ、この製品のために開発された金属に漆を重ねる技術は、オーディオ系製品でも他の製品への展開の可能性がちょっと面白そうです。高級イヤフォンに適用しても面白そうです。

また、オーディオ系以外の製品でも面白い使い方が生まれるかもしれません。