CreativeのSound BlasterX AE-5の製品情報ページ
Sound Blasterシリーズというと、ずっと以前からのパソコン用サウンドボードの定番中の定番でした。
音質面よりも、負荷の高いゲームでのサウンドエフェクトを専用に処理する、音声周りのアクセラレーターの意味の強いカードです。
本当にギリギリのゲームの中では、サウンドエフェクト処理の負荷をサウンドカード側にオフロードすることで、ゲームのプレイ感を少しでも上げられることに大きなメリットを感じるユーザーもいるためです。
今でもSound Blasterシリーズのそういった役割に変わりはありませんが、音質面での要求も高まっているようで、最新のSound Blasterシリーズシリーズでは、遂にハイエンドDACを搭載するところまで来たようです。
今回は、ESS製のハイエンドDACを搭載して音質面でも高みを目指すサウンドカード、Creativeの「Sound BlasterX AE-5」を取り上げます。
ESSのES9016K2M SABRE32 Ultra DACを搭載
Sound BlasterX AE-5ではサウンドエフェクト処理のためには、従来製品同様のCore3Dプロセッサを踏襲します。
そのあたりの性能面では従来通りのものを期待できます。
加えてパソコンでの本格的な音楽再生やゲーム音声の音質向上も狙って、DACはハイレゾ対応のES9016K2M SABRE32 Ultra DACを採用しました。
このチップはESS社製のDACとしてはハイエンドクラスのもので、PCM形式の音源データは32bit/384kHzのサンプリングレートまで対応可能になっています。
またS/N比も非常に高く、歪率も大変低く抑えられているところが特徴です。
ヘッドフォンアンプは敢えてディスクリート構成
DACにESSのSABREシリーズのチップを採用したのならヘッドフォンアンプにも同シリーズを使うのかと思いきや、この部分はCreativeのこだわりかもしれません、同社が「Xamp」と呼ぶ、独自のディスクリート構成のヘッドフォンアンプを搭載しています。
こだわりの作り込みで音質面と、イヤフォン・ヘッドフォンのドライブ力の向上を図ってきたようです。
PC内はオーディオ的にはノイズだらけと言っていい環境ですから、基板上のチップはしっかりとシールドで覆われる形態になっています。
サラウンド音声の出力にも対応していて、5.1ch対応となっています。
音質面にはハンデのあるサウンドカードでどこまでの音が出せるか
基板をシールドで覆ってノイズからの隔離を狙っても、そもそもPCI-Eスロットから供給される電源自体が、パソコンではきちんと整流されたオーディオグレードのものになっている訳ではありません。
PC用電源はかなりいい加減な整流しかしないはずですので、そもそもがPC用のサウンドカードには大きなハンデがある訳です。
そういったハンデを乗り越えてどこまでの音が出せるのか、ハイエンドDACが無駄にはならないのか、Creative設計陣の頑張りが気になるサウンドカードです。
アメリカでは7月から直販サイトで取り扱われる予定で、価格は149.99ドルが予定されています。限定版は179.99ドルで発売予定です。
ちょっと面白いのは最近一部で流行の、光で演出を行なう「魅せるPC」に対応する機能として、サウンドカードがLEDテープの制御機能を持っているところです。
通常版にはLEDテープが1本、限定版には4本付属するようです。
カードの音質面とは別の意味で注目を集める製品になるかもしれませんね。