新コンセプト。イヤフォンの交換式ケーブルでLightning対応に。ShureのRMCE-LTG
高級イヤフォンの中には、ケーブルを交換式にした製品が存在します。
厳密にはオーディオのアナログ信号を伝達する経路には、できる限りコネクタなどは数が少なければ少ないほど良いのですが、イヤフォンやヘッドフォンのケーブルというものはいつかは断線する可能性を孕んだ部分です。
高価なイヤフォン、ヘッドフォンがケーブルの断線だけでダメになってしまうのは非常に痛いです。
また、ケーブルを交換可能としたことで、ケーブルの交換による音のチューニングも行えるようになります。
こういったことから、まだマイナーではありますが、イヤフォン・ヘッドフォンのケーブルには交換用の比較的標準的になったコネクタの規格が出来上がっています。
今回ご紹介するShureの「RMCE-LTG」は、そのイヤフォンのケーブル交換のためのコネクタ規格のMMCXコネクタをうまく利用した新コンセプトと言っていい製品だと思います。
MMCX規格のケーブルでLightningコネクタ対応にしてしまうという発想
ShureのRMCE-LTGは、実は、Lightningコネクタ直結型のDAC内蔵ヘッドフォンアンプ、というのが正体です。
中身的にはいくつかの会社から発売されている、Lightningコネクタに接続するタイプのDAC内蔵ポータブルアンプと大差ありません。
DACとヘッドフォンアンプ部を小さくまとめたことで、ただイヤフォンのケーブルを交換するだけでLightningコネクタに直接つなげるようになった、そう見せるコンセプトの製品です。
実際、ShureはRMCE-LTGを「ケーブル」という扱いで販売していくようです。
MMCX規格のコネクタを使ったイヤフォンを、すぐにLightningコネクタ直結型に変えられるユニークなコンセプトの製品になりそうです。
恐らくShureの製品だけでなく、MMCXコネクタを採用したケーブル交換が可能なイヤフォン・ヘッドフォンで利用できる可能性があります。
音作りはShureサウンドに
DACやヘッドフォンアンプにはShure自らが選択したチップが使われ、音のチューニングの面でもShureならではの作り込みが行なわれるようです。
ただ、価格面では11,800円+消費税と、DAC内蔵ヘッドフォンアンプと考えると比較的安価な部類の製品になります。
ですので、もしかするとハイエンドのイヤフォンやヘッドフォンと組ませるには、若干力不足の部分も出てくるかもしれません。
ケーブルが交換可能(=リケーブルできる)製品はほとんどが高価なハイエンドクラスに近いイヤフォンやヘッドフォンですから、RMCE-LTGがそのクラスの製品の能力を引き出しきれるか、難しい部分も出てくるかもしれません。
そのあたりは実際の製品が登場してから、実力を見極める必要がありそうですね。
他社も同調してくるか?
RMCE-LTGのコンセプトは非常にユニークです。
見た目的にもケーブルにしか見えないレベルの作りで、まさにケーブル交換の感覚でイヤフォンをLightningに直接接続出来るようになる使い勝手です。
弱点としては、対応機器がLightningコネクタを搭載したiOS製品に限られること。ですが、こういった機器の数がそもそも膨大ですから、もしかすると注目を集める製品になっていくかもしれませんね。
この製品がヒットを飛ばすと、他社もこのジャンルに注目して製品の投入に踏み切るかもしれません。
今はまだエントリークラスに相当する製品だけだと思いますが、複数メーカーによる競争やより高音質なクラスの製品が登場すると、この分野も活況を呈して面白いことになってくるかもしれません。