ハイレゾって耳に聞こえない音が入っているだけなんじゃ?

2017年11月16日

ハイレゾ音源に関するネガティブな書き方の中の一つのパターンとして、ハイレゾ音源は人間の耳に聞こえない音が入っているだけだから、そんな音が入っていても意味がない、という書き方をされるものがあるようです。

結論から書いてしまいますと、これは半分正しくて半分書き方不足、となりますね。上のような物言いだと何が足りないのか、そこを少し掘り下げてみましょう。

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ハイレゾ音源の音の良さの要因

ハイレゾ音源で再生可能な音の範囲は、サンプリング周波数が96kHzの場合には48kHzまで。192kHzの場合には96kHzまでが再生可能です。DSD形式での収録だと、こういった制限はなくなり、元々の録音に音が入っていればそれがほぼそのまま収録されます。

人間の耳に聞こえる音の範囲は、若い人でも20kHz程度までとされていますので、確かにハイレゾ音源に収録されている高い方の音はある意味無駄と言えるかもしれません。

ですが、記録できる音の高低の範囲が広い、というのはハイレゾ音源の特長の一部分を示しているだけです。冒頭で書いた、ある種のハイレゾ音源に対する「誤解」では次の部分についての記載がサックリと抜け落ちてしまっています。

ハイレゾ音源のもう一つの、あるいはより大きな特長は、音の大きさの違いを大変細かく記録できていることです。24bitでサンプリングしたハイレゾ音源であれば、CDに比べると256倍もの細かさで音の強弱を記録できます。とても滑らかに、稠密に元の音を記録できる、ということです。

時間が進む方向にも、CDの2倍以上の間隔の短さで音の波形を記録していますから、両方を合わせることで、元の音の波形をCDよりもずっと正確に、滑らかに「近似」することができる、とも言うことが出来ます。

サンプリング周波数の高さは記録する音の範囲を広げるよりも、こちらの元の音をよりキレイに記録しておける、という方向で使われているというのが、ハイレゾ音源の音の良さをより正しく表していると思います。

20kHz以上の音は本当に意味がないの?

ところで、直接は耳に聞こえないとされている、20kHzを超えるような周波数の高い音には本当に意味がないのでしょうか?

実のところ、人間の耳(と脳)がどのように音を聞いて、どのように音を認識しているのかは、細かいところまではまだ解明されているわけではないようなのです。

20kHz以上の音まで収録されている音楽を聴いた場合と、同じ音楽から20kHz以上の音をカットしたものを聴いた場合とでは、前者の方が心地よいときに出る脳波が出やすい、という研究結果も出てきているようです。

また、一つの音としては聞こえないけれども、そういった周波数の成分まで含んだ音の「波形」の変化には、人間の耳がとても敏感である、という研究の報告もあるようです。

ですので、20kHz以上の音に本当に意味がないのかどうかは、今のところはまだ結論を出すのはちょっと待って、という状況ではないかと思います。