Bluetooth便利なんだけど、ハイレゾ聞くにはどう?

携帯音楽プレイヤーやスマートフォンなどと邪魔っ気なケーブルなしで接続して音楽を聴いたり、通話したりすることの出来るBluetooth機器、とても便利ですよね。

使い方によってはプレイヤー本体をカバンに入れたまま、Bluetoothのヘッドセットからプレイヤー本体をコントロールして、音楽を聴いたり曲を選択したりも出来たりと、より便利な使い方も可能です。

では、この便利なBluetooth、ハイレゾ音源を聴くにはどうでしょう?

BluetoothではCDの音もそのまま送れない

Bluetoothは無線でやりとりをする方式としては、とても消費電力が少ない優秀な方式になっています。

また、ヘッドセット以外にも、スマートフォンにキーボードを繋いだりすることも出来ます。パソコンでは、マウスを無線で使うことも出来たりします。

そのかわり、Bluetoothではやりとりできるデータの転送速度がかなり遅い、という制限があります。今ある規格では毎秒1Mビットが上限になっています。

実はCDの音でも毎秒1.4Mビットのデータ量があって、BluetoothではCDの音すらそのまま伝えることが出来ないのです。ですから、CDの音の数倍以上のデータ量のあるハイレゾ音源の音を伝えきることはまったく不可能なのです。

Bluetoothでの音声のやりとりには圧縮音源を使っている

こういった事情のため、Bluetoothでの音声のやりとりでは、MP3のような音質が落ちる形での圧縮(非可逆圧縮)を利用しています。

従来のBluetoothでは、音が良いとされている方式でもビットレートは350kbps(毎秒350kビット)程度でした。また、サンプリングレートもCD程度を想定しているため、ハイレゾ音源にはあまり向いていないというのが実情でした。

Bluetoothを使う場合に少しでもハイレゾ音源の音の良さを活かすために、SONYが音声の圧縮方式に新しい方式を開発して自社製品に搭載しています。

このSONYの新しい音声の圧縮方法では、最大990kbpsのデータ量を使うようになっていて、サンプリングレートもハイレゾ音源にも対応できるものとなっています。この方式でもハイレゾ音元の音の良さをすべて出すことは出来ませんが、従来の方式よりはかなり音が良くなっています。

残念ながら今はまだこの方式を使っているのはSONY純正の製品だけですが、いずれはその方式を他社にも公開する予定があるようです。

こういったより音の良い圧縮方式などが普及していけば、Bluetooth接続のヘッドフォンなどでも、今まで以上にハイレゾの良さを味わえるようになっていくと思います。