音楽を聴いての音の良さとか曲の良さといったものは、聴いた人の感性によって評価があれこれ左右されるものです。聴いてみて自分がどう思うか、という、とても主観的なものなので、一概にどうこういうのは難しい部分でもあります。
ですが、ハイレゾ音源の良さが分かりやすい楽曲というのはあるように思います。また、同等の楽曲をCDとハイレゾ音源とで聞き比べてみたら、違いにびっくりした、という曲もあります。
そういった観点から、おすすめの曲の種類や、アルバムなどをいくつか取り上げてみます。
ハイレゾらしさが分かりやすい曲の種類
著者はあまりたくさんの曲をハイレゾ音源で聞いてみているわけではないのですが、その中でもハイレゾの良さが分かりやすいと思ったジャンルはピアノソロ曲とボーカル曲です。
きちんとした音作りをしてあるならば、どのジャンルの曲でもハイレゾ音源で元々の楽曲の良さをより引き出すことは出来ます。ただ、CDやMP3などの音源との違いを一番感じやすいのは、上の2種類の曲ではないかと思います。
ピアノソロでは、ピアノの音の柔らかさがハイレゾ音源ではよりよく感じられるように思いました。CDの音も決して悪いわけではないのですが、ピアノのハンマーが弦に当たった瞬間の音の出方の角が取れた音がするような、そんな聞こえ方をするように思います。
こういった聞こえ方からすると、電子楽器などのとんがった音では、もしかするとCDの音のほうがより「らしく」聞こえる可能性もありそうです。
またボーカル曲では、聴く環境にもよると思いますが、ハイレゾ音源では歌い手の口の動きまで分かるような声の聞こえ方がします。ただし声のかすれなど、一聴して「アラ」とも取れるところまではっきりと聞き取れてしまうところもあります。
こちらの観点では、CDの音の方は、ナチュラルメイクをした声、とも言えるような音作りをしているものもあるように思います。
おすすめ曲
著者が購入した中で聴いていてハッとしたボーカル曲、2曲をおすすめとしてあげておきます。
1曲目は超有名ゲーム、ファイナルファンタジーXの挿入歌「素敵だね」のオーケーストラバージョンです。moraから購入しました。サンプリングレートは96kHz/24bitです。
パソコンをプレイヤーとして、TEACのUSB DAC内蔵アンプのA-H01と、同社のS300初代機、YAMAHAのスーパーウーファーの組み合わせで聞くと、録音された音が「再生されている」のではなく、パソコンのディスプレイの奥で歌い手が実際に歌っているような雰囲気の聞こえ方をしてきます。
2つめは曲と言うよりはアルバムで、中森明菜のベストコレクションです。以前作成されたマスターテープから、音作りをやり直してハイレゾ収録したものです。サンプリングレートは96kHz/24bit。
最初に聴いたときには「普通」でハイレゾっぽくないなぁ、と思っていました。が、以前作られたCD版のベストアルバムと聞き比べてびっくり。マスタリングが別物と言うこともありますが、まるで別の音に仕上がっていました。
声が恐ろしくリアルになっています。かすれや息を吸うときのウィスパーっぽいところまで、すごく克明に聞こえてきてしまいます。
昔のマスターテープがいかに音が良かったのか分かる楽曲かもしれません。
こちらはハイレゾ音源のスタートアップに勢いを付ける意図もあったのか、収録曲数に比べるとかなり割安なお値段が付けられているのも特長です。
なお、ハイレゾ音源を購入できるサービスについては、「iTunesにはハイレゾ音源はないの?」を参照ください。