日本レコード協会などからハイレゾ対応、と記載できる基準が示されたことで、世の中にはハイレゾ対応を名乗るオーディオ製品が出回るようになりました。そういった製品には、共通のロゴマークも使われるようになっています。
では、ハイレゾ対応を名乗っていないヘッドフォンでは、ハイレゾ音源を聴くことは出来ないのでしょうか?
「ハイレゾ対応」には二つの見方が
世の中のオーディオ関連の製品で「ハイレゾ対応」と書かれているものには、機能的に見ると大きく分けて2つの意味があります。
1つはハイレゾ音源のデジタルデータを普通に再生できるようなアナログの信号に変換する製品でのハイレゾ対応。もう一つは、ヘッドフォンやスピーカーなど、アナログの信号に直った音を再生する製品でのハイレゾ対応です。
前者では、ハイレゾ対応と書かれていない製品では、ハイレゾ音源をハイレゾ音源の音質のまま再生することが出来ません。このため、このジャンルに属するUSB DACなどの製品では、ハイレゾ音源を本来の音で聴くためには、ハイレゾ対応という部分が必須になります。
これに対して、スピーカーやヘッドフォンなどのアナログ信号だけを扱うようなオーディオ機器では、ハイレゾ対応という意味は、再生できる音の高音側の範囲が40kHzまで伸びていて、ある程度以上のしっかりした再生を行える機器、といった程度の意味になります。
再生する音楽がハイレゾ音源であってもCDであっても、一度、アナログの信号に変わってしまえば、スピーカーやヘッドフォンにはどちらもほとんど違いはありません。
ハイレゾ対応のヘッドフォンでCDの音楽を普通に再生することが出来ますし、ハイレゾ対応をうたっていないヘッドフォンでも、ハイレゾ音源の音楽を当たり前に再生することが出来ます。
より重要なのはしっかりした音を出せること
ハイレゾ音源に収録されている音の情報をできる限り伝えきる、という意味では、ヘッドフォンやスピーカーにハイレゾ対応の製品を使う意味があります。
ですが実際に音楽を楽しむ際には、普通に耳に聞こえる範囲の音をどれだけしっかりと再生できるか、ということの方がより重要です。ヘッドフォンなどを選ぶ際には、ハイレゾ対応のロゴだけにとらわれずに、しっかりといい音を出せる製品を選ぶ方が良いと思います。
ただ、ハイレゾ対応のロゴの付いている製品は、メーカー内である程度以上の音質であることを確認した製品になっています。その点では、安心して選択の対象に入れても大丈夫だと思います。
ちなみに、ヘッドフォンなどで音の再生範囲が20Hz~20kHzなどと書かれている場合、この範囲以外の音が全く出ない、ということではありません。
周波数範囲、と書かれているより外側の音は、音を出す効率が下がってしまって、ある程度以上のボリュームで再生することが難しい、というだけです。