PIONEERブランドから新ハイレゾ対応ポータブルプレイヤーXDP-300R登場
2015年に発売したハイレゾ対応のポータブルプレイヤーXDP-100Rである程度の評価を獲得したPIONEERブランドから、新しいプレイヤーが登場しています。
内容を大きくグレードアップしつつ、今のハイレゾ対応ポータブルプレイヤーとしてメインストリームとなるようなポジションに価格を抑えた製品となります。
流行のバランス出力にも対応するなど、しっかりと今風のオーディオの流れをキャッチアップしています。
デュアルDAC+バランス出力対応
先代のXDP-100RはDACを1基だけ搭載したプレイヤーで、オーディオ出力もバランス駆動には対応していませんでした。
この部分がXDP-300Rではしっかりと基本から見直されていて、ESSのDAC、ES9018K2Mを2つ搭載する構成に改められました。ヘッドフォンアンプも2基搭載し、よりクリアな音の再生を可能にしています。
また今流行のバランス駆動にも対応し、現在のところ主流となっているバランス接続ヘッドフォン用の2.5mm 4極のコネクタを標準で搭載しています。
やや大型の筐体に4.7型の大型液晶
この部分はXDP-100Rから継承しているところですが、XDP-300Rでも4.7型でHD解像度(1280 x 720ドット)の大型の液晶を搭載し、ジャケットアートなどの美しい表示や、タッチインタフェースでの優れた操作感が実現されています。
また、操作系では基本操作のためのハードウェアボタンも備え、ポケットの中にプレイヤーを入れたままでの操作など、画面表示が見えない状態でもポータブルプレイヤーとして普通に操作可能になっています。
CPUには数世代前のスマートフォンのハイエンドチップに相当するSnapdragon 800を搭載していて、大きな画面とも相まっていわゆる「サクサク」動く優れた操作感を実現しています。
他社のポータブルプレイヤーが音楽再生だけに機能を絞る傾向もある中、XDP-300RはしっかりとAndroid端末としての機能が活きていて、Google Playの利用ももちろん可能です。
他にもWi-Fi機能を装備し、ネットワーク経由のストリーミング再生や音楽配信サービスAWAなどの利用も出来るようになっています。
Android端末であることをフル活用しようとしているプレイヤーと言うことが出来るでしょう。
幅広い音源のフォーマットに対応
先代のXDP-100Rもポータブルプレイヤーとしては最も対応可能な音源のフォーマットが幅広い機種と言えましたが、その美点はこのXDP-300Rにも引き継がれています。
24bit/384kHzまでのPCM形式への対応、プレイヤー内部でPCM形式に変換しつつの再生にはなりますが、11.2MHzのDSD形式にも対応します。また、少しずつ話題になりつつある新フォーマットMQAにももちろん対応するなど、今回も対応フォーマットでは最先端を行くプレイヤーになっています。
充実のスペック
内部構造では、CPUなどのデジタル系の基板と、オーディオ系の基板を分離することで、オーディオ系にノイズが混入しにくくする「筐体内基板セパレーション構造」を採用したり、アナログ回路側には出来るだけスイッチング電源を使わなくする工夫をして、音質面にとてもこだわりを持つ作りをしています。
またこちらもXDP-100Rからのキャリーオーバーで、最大200GBまで対応可能なマイクロSDXCスロットを2つ搭載して、最大432GBものストレージを扱うことを可能にしています。
容量が膨らみがちなハイレゾ音源も、大量に持ち運べる配慮がなされたプレイヤーと言えるでしょう。
まとめ
XDP-100Rでは発売当初、プレイヤーの各種ソフトウェアの完成度の点で、いくつか問題点も指摘されるところがあったようです。
その後のソフトウェアの更新で安定感は確保されたようですが、XDP-300Rでもその部分はユーザーの厳しい目にさらされるところになるかもしれません。
リリース当初から安定した製品になっていることを期待したいところです。
あとは、製品の位置づけ的にXDP-100Rの後継機となるのか上位機種となるのか、微妙に難しいポジションに投入された機種でもあります。XDP-100Rも登場時は7万円程度のプライスタグではなかったかと思いますが、XDP-300Rは8万円弱程度からのスタートとなる模様です。
現在XDP-100Rは4万円+αぐらいの価格まで下がっているようですが、併売となるのかディスコンしてXDP-300Rに1本化されるのか、そのあたりも少し気になるところです。