新ハイレゾウォークマン登場。ハイエンド機も刷新して超弩級モデルも
新しいハイレゾ対応ウォークマンがまとめて3機種登場しました。1機種は従来のハイエンド機種であったZX-2を置き換えるようなポジションの製品。
もう1機種はハイレゾ対応ウォークマン、というよりはすべてのポータブルプレイヤーの中でも安心して選べて、かつ、ハイレゾ対応機の入門用とも呼べるポジションの、A20シリーズを更新する機種です。
そしてもう1機種は超弩級といえる存在で、他社製の超高級路線のポータブルプレイヤーに真っ向から勝負を挑むような中身と価格と音を実現した製品になっています。
今回はこれらの3機種をまとめてご紹介します。
ウォークマンA30シリーズ
一般的なユーザーは間違いなくこの製品を手にする可能性が一番高いと思います。ハイレゾウォークマンのエントリー機種、A30シリーズです。
前機種のA20シリーズから大きくデザインを変え、本体正面はほぼ全面を占める液晶パネルとなり、タッチパネルを搭載することでA20シリーズから操作感を大きく変えてきました。
従来のポータブルプレイヤーの操作に慣れたユーザーであれば、A20シリーズの操作系の方がなじみ深い可能性がありますが、今どきのスマートフォン操作に慣れているユーザーであれば、間違いなくA30シリーズの操作感のほうが直感的に操作できるはずです。
ソニーご自慢のデジタルアンプ、S-Master HXが一新されたことにより、音質面のすべてがブラッシュアップされています。
機能的にもDSD 11.2MHzまでの再生に対応(内部でPCM変換)しています。
アンプの出力も大きく向上し、駆動力の必要なイヤフォン・ヘッドフォンもしっかりと鳴らせるようになりました。
イヤフォン別売りで内蔵ストレージが16GBのエントリーモデルが、2万円ちょっとから購入可能なのもうれしいところです。
また、ウォークマンの美点である長時間の音楽再生の能力ももちろん継承。ハイレゾ音源でも30時間以上、MP3では40時間以上の連続再生に対応します。
音の面でももちろんしっかりと向上が果たされていて、スマートフォン+ヘッドフォンアンプでハイレゾ音源を聴くか、スマートフォンとは別にA30シリーズを持つか、選択に悩む原因となりそうな機種になりそうです。
ウォークマンWM1A
こちらは従来のウォークマンのフラッグシップ機ZX2を置き換えるようなポジションの機種です。価格は12万円程度になると予想されています。
内蔵するソニー独自のデジタルアンプS-Master HXを一新し、DSD音源をPCM形式に変換せずにそのまま再生することが可能になり、11.2MHzのフォーマットまでに対応可能となっています。
また、PCMのほうも対応範囲が広がり、最大32bit/384kHzのフォーマットにまで対応できます。
出力の方も大幅に向上していて、一般的なイヤフォン・ヘッドフォンの接続方式ではZX2の4倍に当たる60mW x 2の出力を実現しています。さらに、WM1Aでサポートされたバランス出力と呼ばれる接続方式では、250mW x 2の大出力も実現しています。
上にも書きましたが、WM1Aではハイエンドオーディオでは最近流行となりつつある、音楽信号のバランス出力にも対応しています。また、このための端子には、新たに日本のオーディオ系の団体であるJEITAが規格化した、耐久性の高いプラグを採用しています。
音の傾向はポジション通り、従来のハイエンド機であるZX2の音をより進化させたような傾向の音となっているようです。
ウォークマンWM1Z
この3製品の中で、やはりもっともユーザーの度肝を抜く製品がこちらのWM1Zでしょう。お値段なんと30万円超。
電子的な部品はWM1Aとほとんど一緒のはずですが、筐体に加工が難しくコストも高い無酸素銅を使った上に、さらに金メッキまで音質追求のために施すという、まさにコスト度外視の音質追及を行っています。
音の最後のチューニングの方向性も異なるのだと思いますが、このような超のつくレベルのこだわりの結果、WM1Aとはある程度方向性の異なる、ものすごいレベルの音が実現されています。
ただ、筐体に銅を使った関係もあって重量はなんと455g。厚みのある本体のサイズもあって、とても胸のポケットに収めて使えるプレイヤーではなくなっています。
30万円を超える価格もあって、使う人を選ぶプレイヤーであるのは間違いがありません。
ただし、それらのこだわりはしっかりと音質には反映されていて、ポータブルプレイヤーの枠を軽く超える音を実現します。
まとめ的なもの
ハイレゾ対応のポータブルプレイヤーには、他社からもいくつもの製品が出ていますが、やはり未だに日本国内での知名度でいけばウォークマンの影響力は大きなものがあると思います。
そのウォークマンから超弩級モデルが出る、というのは衝撃的でもあり、それだけその市場にニーズがあることの表れかもしれません。
そんなモデルだけではなく、一番数が出るはずのエントリークラスでも、しっかりとしたブラッシュアップを図ってくれているところもうれしいところです。