ハイレゾ機器をドライバーの追加なしで利用可?Windows 10、USB Audio2.0サポートへ

先日配信が開始されたWindows 10の開発用バージョン、インサイダープレビュー版にひっそりとハイレゾ関連のある機能が追加されていたようです。

これがキチンと動作するようになると、今までパソコン用のハイレゾ関連機器の中でその機器の専用のデバイスドライバーをインストールしないと動かなかった機器が、Window標準のドライバーだけで動くようになって、USBケーブルを接続するだけのまさに「プラグ・アンド・プレイ」で動作するようになります。

今回はこの、Windows 10インサーダープレビュー版でひっそりとサポートされた、USB Audio2.0のニュースをご紹介します。

プレビュー版ビルド番号14915からサポート

Windows 10のインサイダープレビュー版というのは、一般ユーザーでも登録を行えば利用可能になる現行のWindows 10先行公開版のようなもので、今後正式版のWindows 10に搭載される機能が開発途中の状態から先んじて利用に出来るようになります。

ネットワークゲームの「オープンβテスト」のようなもの、と考えていただくといいかもしれません。

利用には今は正式なWindows 10のライセンスが必要ですが、プレビュー版をインストールしたユーザーはWindows 10の開発作業に参加できるようになります。色々と新しい機能などを試してバグを見つけたり、改善して欲しいことがあったらマイクロソフトに直接意見を伝えられる機能が備えられています。

その代わり正式版ではないため、ときどき動作が全く安定しないレベルの機能も平気でリリースされてしまいますので、仕事用など安定して動かしたいパソコンでは絶対に導入してはいけません。

さて、今回発見されたUSB Audio2.0の機能は、Windows 10のプレビュー版のビルド番号(バージョン番号のようなもの)が14915のバージョンから搭載されたようです。

マイクロソフトでもあまり表立ってこの機能を明らかにしていませんでしたが、先に発見したユーザーがネットで報告を行い、それをマイクロソフトの公式があとから追認した形です。

USB Audio1.0と2.0との違い

従来のWindowsでは、USB接続のオーディオ機器は「USB Audio Class 1.0」と呼ばれる規格に則ったものへの対応に留まり、サンプリングレートが24bit/96kHzまでの対応となっていました。この部分がWindowsのオーディオ関係の弱点の一つとされてきました。

今後USB Audio class 2.0に対応することで、サンプリングレートは24bit/192kHzまでにも対応するようになります。今まで、独自ドライバーを必要としていたオーディオ機器も、Windows標準のドライバーで接続可能になる可能性が高くなります。

実例

手元にWindows 10のプレビュー版、ビルド14915を導入したパソコンがありましたので、これとTEACのUSB DAC機能付きデジタルアンプのA-H01を試しに接続してみました。

A-H01はUSB接続では24bit/192kHzまでのPCM形式に対応します。この関係もあって、従来のWindowsパソコンでは専用のドライバーを導入しないと認識されず、音が出ませんでした。

しかし、今回試したWindows 10のプレビュー版では、USBケーブルを接続して電源を投入するだけで自動的に接続され、キチンとハイレゾの音源の再生も行うことが出来ました。

また、WASAPIというUSB接続のオーディオ機器をプレイヤーソフトが占有して利用するための機能も既に有効になっているようで、Windows側の音質の低下の要因を回避した高音質での再生も可能になっています。

ただ、再生側は概ねOKになっているものの、録音用のUSBオーディオ機能が不完全なようで、認識できない録音用機材がたくさん存在するようです。この関係もあってマイクロソフトは大々的に新機能としてこれをうたっていなかったのかもしれません。

正式版への導入も遠くはない?

USB Audio2.0対応は、機能の大きさで考えるとそれほど大きな機能ではありませんので、次回の大規模アップデートを待つことなく、Windows Updateに乗って正式版のWindows 10にも落ちてくるかもしれません。

今の段階のドライバーにはまだまだ完全でない部分も多いですが、プレビュー版でテストしてくれるユーザーの数はマイクロソフト社内のエンジニアの数とは比べものになりませんから、テストもあっという間に進む可能性があります。

早期のリリースを楽しみに待ちたいところです。