Windows 10搭載パソコンでは、標準搭載のアプリで簡単にハイレゾ音源の再生が可能です。この特徴は、実はそのままWindows 10スマホにも引き継がれています。
OSに標準で入っている「Groove ミュージック」アプリがハイレゾ音源の形式にきちんと対応していて、何も特別な設定などを行なうことなく、ハイレゾ収録されたFLACなどのファイルを再生することが出来ます。
ただ、Windows 10スマホには一部、パソコン版のWindows 10とは違う制限も残っています。そういった部分も含め、ハイレゾ音源のプレイヤーとしてのWindows 10スマホの状況をご紹介します。
追加設定なしでハイレゾ音源の再生が可能
上に書きましたように、スマートフォン用のWindows 10である「Windows 10 Mobile」に標準搭載されているアプリ、「Groove ミュージック」アプリは最初からハイレゾ音源の様々な形式に対応していて、Windows 10スマホにハイレゾ音源データをコピーしてやるだけで、すぐにハイレゾ音源の再生が可能になります。
また、「USBホスト機能」または「USB OTG(USB On The Go)」と呼ばれる機能を持っているスマホだと、USB端子にUSB DAC機能付きのアクティブスピーカーや、USB DAC、アンプなどを接続することで、こちらもまた何も設定を行なうことなく外部のスピーカーなどからより高音質の音楽を再生することが可能になっています。
Groove ミュージックアプリは機能面でもとてもシンプルなアプリですが、ほとんど何も考えることなくすぐにハイレゾ音源の再生が可能になる、と言う点では、ハイレゾ音源のプレイヤーとしてとても楽ちんな選択肢になってくれると思います。
Windows 10スマホならではの制約も
ただ、まだいくつか残念な部分も残っています。
今あるWindows 10スマホは、恐らくスマートフォン本体だけでのハイレゾ音源ならではの音質での再生には対応できていません。流し込んだハイレゾ音源を再生は可能ですが、CD相当の音質に落とした形での再生になると思います。
USBコネクタ経由で外部にハイレゾ対応のアンプなどを接続すれば、そちらからはきちんとハイレゾ音源ならではの音質で音楽を再生できます。
ただ、外部に接続できるUSB DACなどは、Windows 10 Mobileに標準で搭載されているドライバーで動く機器だけが対応可能になっています。今はまだ、Windows 10 Mobileにあとからドライバーを追加する仕組みがありませんので、独自のドライバーで動く機器には対応が出来ないのです。
もう一点ドライバー関連の制約としては、Windows 10スマホのCPUはWindowsパソコンのCPUとは全く違った種類のCPUのため、パソコンで動いていたドライバーを持ってきても動作してくれません。この点も当面は機器の組み合わせの制約になります。
Windowsのオーディオミキサーが足を引っ張るのも同じ
パソコン版のWindowsでは、Windows側で音量調節などを行なうオーディオミキサーなどが、再生の音質の足を引っ張っています。この件は残念ながらそのままWindows 10スマホの方にも引き継がれてしまっています。
パソコンの方には、有志の方がこの仕組みを上手くかわす形のプログラムを作って音質の改善が図れるようになりました。ですが、ここでもWindows 10スマホのCPUの違いが引っかかって、Windows 10スマホ側にはこの音質改善のプログラムが使えません。
ですので、本当にしっかりした音楽再生を行なうには、ちょっと残念な部分が残ってしまっています。
まとめ
Windows 10スマホとUSB接続できる外部のスピーカーやヘッドフォンアンプなどがあれば、かなり良い音でかつ手軽にハイレゾ音源の再生が出来るのはなかなか便利です。
大きな荷物を移動させなくても、手軽に家の中どこにでもいい音で音楽を再生する環境を持って行けるというのは、ちょっぴり楽しい使い方になりますよ。