最近、SONYのウォークマンに対応モデルが出たり、スマートフォンの新型の宣伝文句に使われたりするようになった、「ハイレゾ」という単語、これは一体なにを意味する言葉でしょう?
分かってらっしゃる方は既にしっかりと理解して、ハイレゾ音源の良さを楽しんでらっしゃると思います。ただなんとなく「ハイレゾ」というと音がいいイメージ、程度に思われている方も多いかもしれません。
ここでは「ハイレゾ音源」って何なのか、まずはその意味のさわりから説明してみます。
ハイレゾはハイレゾリューションの略
こちらも各種のメディアなどで何度も取り上げられていると思いますが、「ハイレゾ」は「ハイ・レゾリューション」(High Resolution:高解像度)を略した単語です。
「高解像度」という日本語が当てられますが、以前から言われてきた音楽的な高解像度な音、とは微妙に異なる意味で使われています。今までの音楽を聴く上での高解像度という言葉は、音の出る位置がよく区別できるとか、よく似た音が混じらずに分けて聞こえるとか、そういった意味で使われてきました。
ハイレゾ音源の「高解像度」は、写真の解像度(≒ドット数)が増えたときに似ています。一言で言うと、より音楽の細かなニュアンスもしっかり伝えることが出来る音、ということが出来ると思います。
ハイレゾ音源は情報量が豊富
こちらもよく言われることですが、ハイレゾ音源はCDの音に比べると情報量が数倍以上あるとされています。これを説明するには、ちょっと面倒な音楽をデジタル化(≒数字で表す)するための方法から説明しないといけません。ちょっとおつきあいください。
パソコンやスマートフォンなどのデジタルな機械で音のようなアナログのものを扱うためには、一度、音を数字で表してやる必要があります。このためにCDであれば、1秒間に44,100回、音の大きさを65,536通りの段階数に直して計ります。
65,536段階ってとても半端な数ですが、コンピュータが扱いやすい2進数で考えると、2進数16桁で表せる最大の数字で、コンピュータには区切りの良い数字になっています。2進数1桁を表せる量が「1ビット」なので、65,536通りの数字を表すには16ビットあればOKということになります。これらを使って、CDの音は44.1kHz/16bitでサンプリング(測定)した音、と呼ばれます。
これに対してハイレゾ音源では、96kHz/24ビットとか192kHz/24ビットといった形でサンプリングが行われています。8ビットで1バイトになりますので、CDの音は1秒あたりに、44,100 × 2 × 2バイト分のデータがあることになります。(最後の× 2は、ステレオで左右2つ分のデータがあるから)
これに対して24ビット/96kHzのハイレゾ音源では、毎秒、96,000 × 3 × 2バイト分のデータと言うことになり、3倍以上の情報量がある、という計算になります。
この情報量の違いが、ほぼそのままハイレゾ音源の音の良さに繋がっています。