ほかのジャンルのオーディオ製品に比べると新製品登場のペースがゆっくりですが、いよいよカーオーディオの世界にもハイレゾの波が到達し始めたようです。
今は日本の一般的なカーオーディオ製品はオーディオ機能単体のものよりも、カーナビに組み込まれる形の製品が多くなっていますが、JVCケンウッドと三菱電機のカーナビの上位機種がハイレゾ対応をうたっています。
SONYは今、基本的には日本国内ではカーオーディオ製品を販売していませんが、アメリカ国内ではカーオーディオの単体製品でハイレゾ対応のハイエンド機種を投入してきています。
JVCケンウッドは上位機種2つから対応開始
JVCケンウッドの「彩速ナビ」の最上位の機種、MDV-Z702WとMDV-Z702がついにハイレゾ音源対応をうたい、製品紹介のWebページにはハイレゾ対応ロゴが表示されています。
この機種は内容的には厳密には1つの機種で、クルマ側のカーナビを組み込むスペースの幅の違いに対応する形で、一般的なサイズと200mm幅対応のワイドモデルが用意されています。
ハイレゾ音源に関連するスペックでは、ファイル形式はFLACにも対応。サンプリングレートは24bit/96kHzまで対応します。
機種自体のS/N比やチャンネルセパレーションなどの基本的なオーディオ特性もかなりしっかりしたもので、再生能力はかなりのものがありそうです。
三菱もフラッグシップモデルが対応
三菱のカーナビでは同社のフラッグシップモデルである、NR-MZ100シリーズがハイレゾ音源対応をうたっています。対応するハイレゾ音源のフォーマットは、FLAC形式では24bit/192kHzまで、WAV形式では24bit/96kHzまで対応します。
ただ、こちらのモデルは製品紹介のWebサイトにはハイレゾ音源対応のロゴは貼り付けられていませんので、再生周波数帯域は基準を満たしていないのかもしれません。
またこちらの機種では、サンプリング周波数のみダウンサンプリングされた形での再生となるようです。具体的には、一度内部で24bit/44.1kHzに変換して再生されるようです。
SONYはアメリカでオーディオ単機能モデルを発売
ハイレゾ対応製品の拡充に最も熱心なメーカーの一つ、SONYはアメリカでカーオーディオ用の多機能USB DAC的な製品を発売しています。CDやDVDプレイヤーを持たず、デジタル接続したポータブルオーディオプレイヤーやスマートフォンからの再生と、USBメモリ内部の音源データの再生に対応する機種のようです。
カーオーディオ用語でいけば「ヘッドユニット」という製品になるようです。型番はRSX-GS9。
DSD音源の再生にも対応しているようで、かなりこだわりの製品となっています。実際、使われているパーツや内部の構成もかなりこだわった作りになっています。
ただ、残念ながらまだ日本国内では販売に至っていません。
展開は遅め?
カーオーディオはクルマ自体の騒音や走行音などがある環境での再生装置という、ちょっとほかとは違う特別な事情があります。基本的に騒音がある中での再生になると言うことで、ほかのオーディオ装置とは違う要素が求められるジャンルなのかもしれません。
その関係もあってか、ハイレゾ対応製品の展開もほかのジャンルより遅い感じに見えます。
カーオーディオもこだわる人は徹底的にこだわっていますし、それに応える製品もたくさん出ています。ハイレゾ化のニーズも確実にありそうに思えますので、
今後の展開はどうなっていくのか、少しに気になるジャンルの一つです。