ハイレゾ音源と非ハイレゾ音源、聞き比べてみて違いは?

まず最初に言い訳から入らなければなりませんが、音楽を聴いたときの印象は、全て聞く人の感性に依存する内容です。

このため、ある人の感じ方が他の人の聞こえ方にそのまま当てはまることはありません。完全に主観の領域で、聞いた人それぞれが全然違う感じ方をする可能性が高いです。

このため今回書く内容も、著者の主観がベースになります。あくまで参考として見ていただけると良いと思います。

さて、今回は、限られた曲の範囲ですが、著者が同じ曲をハイレゾと非ハイレゾの音源で聞き比べてみて感じた印象を書き連ねてみます。上に書いたとおり、人により感じ方が異なりますし、使うオーディオ機器によってもまた、表現が変わります。その部分は頭に置いた上で読んでください。

視聴に使っているシステム

著者がハイレゾ音源などを聞くのに使っているシステムです。

  • パソコン 自作のWindows 10機
  • アンプ TEACのUSB DAC内蔵デジタルアンプA-H01
  • スピーカー TEACのかつての名器と言われた同軸2Way小型スピーカーS-300
  • スーパーウーファー YAMAHA YST-SW205

聞き比べた曲と印象

最初に聞き比べてみたのは中森明菜のベストアルバムです。

かつて発売されたベスト盤CD 2枚分+αの曲をハイレゾ収録して、CD 1枚分とちょっとの価格で売り出された、かなりお買い得なアルバムです。

マスター音源はアナログのマスターテープで、そこから24bit/96kHzでサンプリング。音作りも完全リマスタリングを行っているようです。

先にハイレゾのほうを聞いたあと、手持ちのCDのベスト盤の音源を聞き直してみましたが、声の「リアリティ」の差に驚きました。

CDの方はナチュラルメイクしてあるといいますか、声その他の「アラ」を隠してしまったような感じ。よりキレイに聞こえるかもしれませんが、「肉声」感が薄れているように感じました。

また、音作りの違いも鮮明で、CDの方はボーカルも「楽器の一つ」と行った扱いをする曲もありますが、ハイレゾ音源の方は完全にボーカルが主役です。歌声を聞かせるための音作りに変わっていました。

著者の再生環境で近距離でボーカル曲を聴くと、歌い手の口元だけにスポットライトが当たったような感じで、ふわっと目の前に歌い手の姿が浮かび上がるように曲が聞こえてきます。歌い手の口の動きが見えてくるような気がします。

この部分のイメージの明確さが、最もCDクオリティの音源とハイレゾ音源とで違いを感じる部分です。

新しい音源で、DREAM SOLISTERをAAC圧縮の320kbps版とハイレゾ版とで聞き比べてみました。AAC版にはSONYのx-アプリの、圧縮音源の失われた情報を推測で補完するDSEEを聞かせたものと比べています。

この曲だと両方がかなり近い聞こえ方になりますが、やっぱり歌い手の口の動きまではAAC音源の方では感じられません。

ふわっと、目の前に歌い手の口が浮かび上がるように聞こえてくるところは似ているのですが、そこから先の微妙なニュアンスが、やはりハイレゾ音源が優れている気がします。

無料配布のハイレゾ音源サンプルのピアノソロ曲で聞き比べた場合、ハイレゾ音源の方が音がとても柔らかくなります。ピアノ本来の柔らかな表現が再現されます。

ちょっと音の印象を極端に書くならば、音の立ち上がり部分が耳に痛くない、とでも言いますか。1音1音の主張は、CDクオリティの音の方が強いかもしれません。

まとめ

音楽を聴いたときの感じ方は人それぞれですし、CDの音に耳が慣れていると、また感じ方が変わるでしょう。ただし、一度、生の楽器の音、演奏を聴くとそこでまたガラッと感じ方が変わる可能性も高いです。

「音の良さ」の基準をどこに置くか、と言った問題はありますが、CDや圧縮音源とハイレゾ音源とで、どちらが生の音に近いかと言えば、やはりはいハイレゾ音源の方になると思います。